投稿日:2010年03月27日

2010年03月27日

フワフワ、フワフワ。
家の前に出ると紙のゴミが道端にゆらめいていた。チラシか何かかなと思っていたのだが、ダンボが家の中から飛び出てそれに食らいついたのだった。
フンガフンガ言いながら、ダンボがその紙をペロペロと舐めているのを見て、それでその紙がマクドナルドのハンバーガーの包み紙であることがわかったのだった。なんてめざといんだろう。この犬は家の奥から飛んで来て、まっすぐ紙包みに飛び込んで行ったので、最初から食べ物の包み紙だったことはわかっていたのだ。
「こら!ダンボ。やめなさい!」
ダンボを引き離すと、急にこの紙ゴミが憎らしくなってきた。
ハンバーガーを食べるのは勝手だが、紙クズは責任を持って自分で捨てて頂きたい。一体、誰がこのゴミを捨てて行ったのか。
ここは袋小路になっているので、ただの通りすがりの人は居ない。かと言ってこの辺りの住人がそんなことをするとも思えない。じゃぁ、誰なんだろう。やはり通りがかりの人間が捨てたゴミが風に飛ばされてここに飛んで来たのだろうか。
家の丁度真ん前にハンバーガーの包み紙はヒラヒラしている。
<んもう!>
<私は、拾いませんよ>
<拾いませんからね>
見えない敵に向かって宣戦布告する。知らない人が捨てて行ったゴミを、それもよりによってハンバーガーの包み紙を<あら、ゴミが落ちているわ>と素直にササっと拾えるほど私の心は広くなく、<私は知らないからね>と一旦は見捨てる傾向にある。
<知らない!>
と、思ったらまたスキを見てダンボが包み紙にダイブして、少しでも多くこの美味しいソースを舐めようと必死にフンガフンガやっていた。
最初に拾っておけば、ダンボの二度目のダイブはなかったのに・・・・。
結局、<私は知らないですよ>は10秒ぐらいで終わり・・・・。とほほな気分でゴミを拾う自分に変わっていたのであった。
知らない人の捨てて行った物の後片付けは今までにもあったが・・・・。
今日ほど、腹が立ったことはなかった。
私も食べたかった。
ダンボはちょっとだけ味わえた。
犬の様子からしても相当美味しい食べ物のようであった。
自分が食べていない物のゴミの始末は、バイトでもない限り腹が立つということがわかったのであった。
食べ物の恨みは恐ろしいのである。


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