投稿日:2012年05月15日

2012年05月15日

ヴェネツィア3日目。
天気がいいので、今日は本島から離れたムラーノ島に行くことにした。ヴェネツィアはいくつもの島で構成されている。中でもムラーノ島、ブラーノ島は観光化しているので、時間に余裕がある人は訪ねることが多いみたいだ。本島からは20〜50分船に乗らないといけないのだが、ヴァポレットのフリーチケットで行ける。
まずはヴェネツィア駅前からガラス工芸で有名なムラーノ島を訪ねてみた。
島にはいくつかの降り場がある。気まぐれでたくさん人が降りた停留場の一つ先で降りてみた。
05151.jpg
青い空と眩しい太陽が似合う印象で、建物と建物の間が本島に比べると少しゆったりとしている。広場にはムラーノガラスで作られた作家のオブジェが展示してあった。
05152.jpg
05152-1.jpg
夜中にいたずらをされて壊されたりしないのかしら。
無防備に展示がしてあると、ついそんな心配をしてしまうが、沢山の観光客が訪れるにしても、マナーが守られているのかもしれない。こういうことはみんなで守り合わないといけないなと思ったのだ。
少し歩くと水路沿いに店が並ぶ観光エリアに着いたので、しばらくウィンドウショッピングをする。ヴェネツィアはたまたまこの時期だけなのもしれないが、年配のご夫婦の旅行者を多く見掛ける。新婚旅行、若いカップルも居るが全体的には年配の人が多く、一人旅と思われる人には私は会うことがない。
年配のご夫婦は穏やかで幸せそうだ。一見なんてことのない老夫婦なのだが、何故かしら見ているだけで優しい気持ちになる風景の一つだった。
水路沿いのあるレストランが賑わっていた。
イタリアでもランチタイムがお得らしく、一度私もランチタイムにどこかの店に入ってみたいなと思っていたのだ。
ここにしようかな。
どうしようかな。
店先に出ているメニューが何の料理なのかがちっともわからない。どうもこの店は地元の人も来る店の様子。店主も忙しそうにしていたので、ここは何が出て来るのかお楽しみということで、指を差して14ユーロのメニューを注文してみた。
05154.jpg
飲み物はお水を頼む。
最初に出てきたのはパン数種類の入ったバスケット。日本のランチを当てはめるとまず最初にサラダかスープが出て来て、それからメインが出て来る。
メニューの二番目に書いてあったのがポモドーロのパスタ。
…だよね。これ。
ま、それを軸にメニューを推理すればいいか。
そう思っていたらボリュームたっぷりのラザニアが出て来たのであった。
えー!
これが一つ目に書いてあったメニューなの?
もしかして、このあとにパスタが出て来るのかしら。
だとしたら食べ切れないわ…。
05153.jpg
レストランに入って大量に残してしまうことの後ろめたさったらない。ここは時間をかけてでも頑張って出てきたものを食べるしかない。
ラザニアはとっても美味しかった。ちょびっと手がかかるが私も日本に帰ったら久しぶりにラザニアを作ってみようかなと思う日本人の舌にも合いそうな味だった。
ラザニア、完食。
次はポモドーロのパスタか…。
かなりお腹が膨れた状態だったが、次に出てきたのはハムとふかしたジャガイモ。
ポモドーロのパスタって、ラザニアのことだったのか。
ハムとジャガイモは頑張って食べたが、やはり半分残ってしまった。
これで終わりなのかなぁ。
デザートはないのかなぁ。
メニューが読めないと、これでメニュー全てが出て来たのかがわからない。カフェオレを頼んだがデザートは出てこなかったのでなかったのだろう。いや、わからない。割愛されたかもしれぬ。やっぱり言葉は知っている方がよいのだ。
たまたまもっていたガイドブックに、「この料理は持ち帰りが出来ますか?」という文章のイタリア語を見つけた。カタカナでルビがふってあるこの文章を読んでみたら、日本と同じお持ち帰り用に包んでくれた。やっぱり言葉が伝わると細かいことが頼めるのだ。素晴らしい!
05155.jpg
ランチを食べてからはムラーノ島を後にして、ブラーノ島に行ってみる。ブラーノ島はレース編みと漁師の島で、ガイドブックには島の家がカラフルな壁で可愛いと書いてあったので、私も鮮やかなピンクや青や緑の壁の家が並んでいる図に惹かれて行ってみたかったのだ。
島に着くと家並みが本当に可愛らしい。隣りの家と壁の色を変えるのは暗黙の了解で、鮮やかな色をしているのは、夜あたりが暗くなっても自分の家がわかるように…とのことらしい。それにしても、洗濯物が干してあるだけで絵になるのでつい写真を撮ってしまうのだ。
05157.jpg
05158.jpg
ボートも可愛いペイントが施されているものがある。
05159.jpg
だが…。
本島もそうなのだが。
私達観光客はカメラはご遠慮下さいと書いてあるところ以外は、撮影OKだという認識で素敵だなと思う景色をパチパチと写真に撮りまくっている。
051510.jpg
051511.jpg
観光地として成り立っている場所なので、多少は目をつぶって大目に見てくれているとは思うのだが、この島で観光客の恩恵を受けることもなく暮らしている人 達だっているはずで、そういう人達にとっては自分の家が絵になるからといって知らない人間にパチパチと写真に撮られたらどんな気がするだろう。
それが毎日何年も続くのだ。
もし、洗濯物を干している自分の部屋の前で、東京見物に来た旅行者が記念撮影していたとしたら・・・。
観光地だししょうがない・・と思える日ばかりではない。
なんなのよ!あんたたち!と言って、冷蔵庫から生卵を取り出し投げつけている日だってないとは言えない。
観光地で暮らす人の生活は、プライバシーが奪われる。
旅行者達は旅先で、たまにふと足を止めて「もしも自分がされたらどんな気持ちになるだろう」と、考えることは必要なことなのだと思うのだった。
ブラーノ島を出たら、元の航路で帰るのをやめて別のルートで帰る船に乗ってみた。
多分、着けるよね…。
路線図とにらめっこしながら、まぁ失敗したら失敗したで今日中に本島に戻れたらいいか、というつもりで乗ってみた。
ヴァポレットも船の大きさや形がそれぞれ違う。フリーパスのおかげでいろんな種類の船に乗れたのが楽しかった。
051512.jpg
051513.jpg
船は大回りをして最終的に一度乗り継ぎをして本島のサンマルコ広場まで戻ることが出来た。
大きな客船がヴェネツィアに寄港して、何隻か停泊している。
ヴァポレットは海の上を走り、ああここは海なんだなぁということを思い出した。カモメが飛んで遠くに島の暮らしが見えて…。
ホテルに帰ったら、陽が暮れる頃になっていた。
写真を沢山撮れてよかった。
もうギリギリ、部屋に入ると携帯の電池がなくなる寸前だった。
はぁ〜っ。
疲れたなぁ。
でも楽しかったなぁ。
明日ヴェネツィアを発つので、帰る準備を少ししようかなとスーツケースを開けようとすると…。
オーマイガー!
スーツケースがまた開かなくなっている‼なんで⁈
ミラノのホテルに着いた日に同じ現象が起こっていたのだ。インターネットで検索をすると、こんな時の対処方法は「000から順番に番号を地道に開けて行けば必ずあきますよ」と書いてあり、それをお守りに000から順番に回して行ったら運良く011で鍵が開いた。
あの時はホッと胸を撫で下ろしたのだ。
また番号が変わってしまっただなんて!
疲れていたが000からまた地道に暗証番号探しの旅に一人出たのであった。
560.561.562…
723.724.725…
今度は結構時間が掛かっている。まさか999ってことはないだろうな。
と、思っていたのだったが…。
995.996.997.998…
999…。
えー!うそだ!
全部試したのに鍵は開かないではないか。
もう一度000から試してみる。だが222ぐらいまできて急にヤル気がなくなってきた。今回手荷物バッグの方も旅の途中でジッパーが壊れて、いかにも「どうぞ中の物をご自由にお取りください」状態になっているのだ。
どうして両方共鍵が壊れるのか。
開かないスーツケースを前にしたら急に腹が立ってきた。よりによってスリが多いとされているイタリアで‼
結局、フロントの人にお願いをしてペンチでこじあけてもらい、鍵は1分で壊れて開け放題なスーツケースとなった。
一体どうなっちゃったんだろう、この鍵。壊れたのを哀れに思いながらロックを回したらたまたま止まった012でカチンと開いた。
今頃遅いねん!
というか、012は4〜5回ぐらいトライをした番号じゃないか。
それにしても、鍵ってペンチ一つでこんなにすぐに壊れるのなら、もうロックはいらんかもなと妙にスッキリかつ納得をしたのであった。


コメントをどうぞ