土曜日は家でテレビを観るのが好きなのだ。それはテレビ番組があまり変わっていないことも理由の一つ。長い間続いている番組というのはなんとなくこっちにも愛着がある。テレビの中ぐらいはあまり激しい入れ替わりのない状態の方が、私の場合は落ち着いてのどかな気持ちになるのだ。
朝は、「旅サラダ」で温泉やプチ旅行を楽しみ、それからは「ぶらり途中下車の旅」で東京の身近な路線の街を私も一緒に散策をする。昼になったら「メレンゲの気持ち」にチャンネルを合わせ、ゲストトークに「うんうん、そうなの~?」とテレビの前で頷き、後半は石ちゃんの「まいう~~」の笑顔に「私も食べたいわ」とそそられる・・・。
そして日が暮れて雨戸を閉める頃になると「人生の楽園」にチャンネルを合わせる。田舎暮らしはあこがれだが、今や私は近くに大きな病院があるかどうかが自分の住む町の条件から外せなくなってしまったので、山奥で木を切りながら生活をしたり、無人島に渡って一から生活を始めるなんてことは、怖くて出来なくなったのだ。いいなぁ。こういう暮らし。そうねぇ・・・、ピザが焼ける石釜を作りたいわ。で、家具は少しずつ気に入ったものを作り足して行く。つるバラを這わせて、花は絶えないお家にしましょうよ。・・・なので、私はこの番組の間だけ、つかの間想像上の旦那に話しかけて、想像上の田舎暮らしをしているのである。
7時になるとテレビ東京が2時間枠でやっている旅番組にチャンネルをかえる。私はこの温泉宿系の番組を見ながら夕飯を食べるのが、土曜日の中で最も至福の時なのだ。絶景温泉や温泉宿での豪華カニ料理を食べている出演者を見ながら、私は明太子スパゲティを食べていたりするのだが、それは普通にレストランに行って友人がスキーキセットを頼んだのに対して、「私はパスタにするわ」というのと同じなので、全然違和感がない。
そして9時、同じチャンネルの「出没!アド街っく天国」というこれまた東京の町を毎週1つずつ特集する番組があって、それをつけている。この辺になってくると、「へぇ〜、そうなの?」と私はテレビに向かってしゃべりかけている。で、必ず「明日、行ってみようかな」と番組で取り上げられた町に行きたい気分になるのであった。
土曜日のテレビが大好き。
要するに私は「食べる」か「旅する」かどっちかのことやっている番組が大好き。ということなのである。