投稿日:2010年05月07日

2010年05月07日

近所の家のポストのところに、鮮やかなショッキングピンクの小さいクモを見つけた。ショッキングピンクってこの色だなぁと思うほどのハッキリした明るいピンクで、トコトコと歩いていたのだ。
初めて見るクモ。
何て名前なんだろう。
だが、こんな鮮やかな色をしたクモは毒グモに違いない。
触るのはやめてそっとその場を離れたのだった。
めずらしいクモなのかしら。
歩きながらだんだん妄想が膨らんで来た。
<もしかして、大発見をしたのかもしれないわ>
遺跡を発見した話や、ミイラを発掘した話と同じく、意外な都会で新種のクモが発見されたということだってあるかもしれないのだ。
「確かに見たんです」
でもその場を離れたのだから証拠はない。寂しい一人暮らしの妙齢の女が世の中の気を惹こうとして狂言を吐いたと受け止められないとも言えない。
とりあえず、家に帰ると「ショッキングピンク クモ」で検索をしてみた。
すると・・・。
教えて!gooの質問に既にこのショッキングピンククモについての回答が寄せられているのを知ったのだった。
新種のクモかと思ったショッキングピンククモは、タカラダニという種類のダニなのだそうだ。よく日当りのいいコンクリートや壁に居るらしく、めずらしくもなんともない小虫なのだと知って、ちょっとガッカリした。
ほんの一瞬、世紀の大発見をしたような興奮があった。
スクラッチクジを買う度に「今回は一等が当たったような気がする」と思う思考と同じスイッチが入ったのだ。
凡人、一瞬舞い上がる。
そしてまた凡人に着地する。
なんてことのない、春の風物詩の一つなのだそうだ。


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