何年か前から度々見る夢がある。
同じ夢ではないのだが、シチュエーションが同じ夢を見ている。
私は実家に一時的に帰って来て過ごしているのだが、10年前に亡くなった母が夢ではまだ生きている。そのことを私も不思議に思っていない。そして実家で過ごしているのだが、夢の後半になって「もうそろそろ帰らないと」と、今の自分の家に帰ろうとする、そういう筋書きの夢だ。
夢の中でも私は一人暮らしをしている。ダンボはそれらの夢にはほとんど出て来ない。そして一人暮らしの家は、実際今住んでいる家ではなく、場所も夢によって違う。ハイツの時もあるし、下宿先のようなところもあったりで、東京というわけでもなさそうだ。そして夢の中で私はどうも随分その家に帰っていないみたいなのだ。
夢の中で私は毎回思っている。
<帰ったら多分埃だらけだから、かなりしっかり掃除をしないとダメだわ>
もう何回この筋書きの夢を見ただろう。
「もうほんとうに帰らなきゃ」
そう意を決して「今」の家に帰るところまで必ず夢は筋書きに沿っている。ただ夢の中の景色が夢ごとに違うだけ。
亡くなった母が何かを伝えようとしているんだろうかと考えてみたが、夢の中の母は至って生前と変わらない様子で、いろいろ考えてはみるのだが、母の伝えたいことというのがどうも私には繋がらず、夢からさめると「また同じ夢だった」としばらくそのことが頭に残るのだった。
実際の私は、数年前から自分の育った街が一層好きになった。
大好きな町だったんだなぁと恋しくなる時がある。
夢が「でもまだ帰っちゃいけないよ」と教えてくれているんだろうか。
度々見る夢について考える。
眠っている時に、もう一人の私が私に語りかけている何かのメッセージなのかもしれない。