東京の道は難しい。
多分、この道を真っ直ぐ行けばあそこに出るだろうと予測をしていくと、とんでもない場所に出てしまうということが結構ある。真っ直ぐだと思っていた道は、実際は緩やかにカーブをしていたりするので、走っているうちに方向感覚が失われるのだ。
タクシーの運転手さんでさえ、そう言っているので、東京では道に迷うのが「普通」なのだろう。
そういうことにしておこう。
今日は近くて遠い町、荻窪にバイクで探検に出掛けた。
家を出る前に地図を見て覚えたが、早速曲がる角を間違えて道に迷う。
まぁ、いい。「探検」と名づければ、道に迷うことは「失敗」ではなく「調査」になるのだ。
八百屋さん、発見。
トマトを購入する。
で、荻窪はどっち。
ここで乗用車発見、ついて行く。多分このおじさんは横に乗っている奥さんを荻窪駅まで送っていくのだろう。という読みが当たって、あちこちの角を曲がって私を荻窪まで連れて行ってくれたのだ。
荻窪のカルディコーヒーファームにて、ハーブティ購入。
一日、一個所買い物に行くのがやっとだったのが、原付に乗ったらこんなことも出来るのかと思うと嬉しくなってくる。そのまま今度は駅から少しある園芸店にブーンと行って、パセリとバジルの苗を購入する。すると、もっと苗を見たくなってきたので、高井戸にあるオリンピックに行くことにした。
ブーン。
オリンピックの駐車場で杖をついてヨボヨボと歩く男性に遭遇、男性は私の乗っている原付の2周りほどデカいバイクの持ち主で、バイクに乗って颯爽と去っていった。
ここで苗とマーガリンを購入。
帰り道にビデオ屋さんに寄ってビデオを借りる。
「近所のスーパーに買い物に行くだけ」は二日目にしてタガがはずれたのだ。
バイクがやってきて、自由な鳥やネコになった気がした。
いや、都会の探検は買い物がついてくる。今日はバイクがやってきて、あれもこれもと浪費が増える意志の弱い人間だと自覚をしたのであった。