夕方、電話が鳴った。
「はい、もしもし」
「もしもし、吉川さんのお宅ですか」
電話口に出ると男の人の声だったので、それまでは忘れていたのだったが病院の先生からなのではないかと咄嗟に思った。
本当に、病院の職員さんから電話がかかってくるのではなくて、担当の先生から電話がかかるんだ。ちょっと意外だったが、電話の声の主ははじめましてと自己紹介をその場でされ、そしてO先生と一緒に執刀をするという説明をもらったのだった。
「28日の10時ぐらいに入院をしてもらって、午後から少し手術についての説明に伺います。」
29日の手術日は先生のチームは私の手術だけなのだそうだ。順調に行けば3〜4時間で終わると思います、そう言われて少し今までの自分の病気のことを尋ねられて軽い問診のような会話のあと、電話を切った。
「それでは28日に」
「はい、どうぞよろしくお願いします」
2週間後に入院することが、決まった。