普段のダンボはあまり私に依存する様子もなく、一人で自由に過ごしている。
が、たまに構ってもらいたい時というのはあるようで、そんな時は私に思い切りアピールをしてくるのだ。
<ねぇ、構ってよ>
<ねぇねぇってば>
しかし、今日は丁度その時ベッドに横になってさぁようやく眠くなるまでの時間、枕元の明かりで本を読もうというモードになっていたのだった。
<遊んでよ>
<ここにいるよ!>
いつもならアピールに負けて、ちょびっと相手をするのだが今日は自分の時間を優先したかった。犬に甘い私にしては稀なことだ。
<遊んでってば!>
「いや。今日は本読むから」
「だってダンボちゃんだって私に用がないときは知らん顔するやん」
独り言を言いながら本を読んでいた。
ダンボはしばらくして私の上に乗って来て、布団の上で「ム~~~」とつぶやきながら「堀り堀り」を始めた。構って欲しい時の最大のイジケた気分の時に、ダンボはこうした奇行アピールで無理矢理にでも私のハートをゲットするのだが・・・・。
今日はそのアピールにも負けず、引き続き本を読んでいた。
し~~~ん。
しーーーーーーーーん。
あきらめたのかなぁ???
これで静かになったぞ・・・・と思った頃、ダンボはノシノシと私の足元の辺りからやってきて、そして丁度私と本の間で立ち止まったのだった。
ダンボはその時四本足で立ち止まったままチラっと私の顔を見た。
厳密には、私の顔を見下ろしていた。
そして、
「ドスン!」
私と本の丁度真ん中にデンと横になった。
そしてそのままそこから動かなくなり、そこで寝はじめたのだった。
お前・・・・・。
だいぶ賢くなったよね。
ウンチをトイレシート枠からいつも外してしまう惜しいワンコが、こういう形で邪魔することが思いつくようになったとは。
「感動した!」
本は中断。わかったわかった。
じゃ、もう寝ようね。
どこまでが寝たフリなのか、その後ダンボはその姿勢のまま寝ていた。
ダンボの勝利でこの勝負は幕を閉じたのであった。