”空から恐怖の大魔王が降ってくる。”
子供の頃、家には「ノストラダムスの大予言」があって、この一節が記憶に強く残っている。寝る時に読んでは”恐怖の大魔王の正体って何なんだろう””自分にはどうしようも出来ないんだ・・・”と、暗くなったのだ。
今の家で、まさしく”空から恐怖の大魔王”が降ってくるという恐ろしい目に何度か遭っている。
それはキッチンの換気扇が突然はずれて、枠ごとバーンと落ちて来る恐怖なのだ。
鉄の塊がガコーン!と音を立ててすぐ横に落ちてくるので当たったら間違いなく骨折をし、頭を直撃したら即死になる。換気扇が降って来る家なんて、今までなかったのだ。
ドリフのコントでさえ、換気扇は落ちて来なかった。
だからそんな危険については考えたこともなかった。
「恐怖の大魔王って何だろう。」と、小学生の頃、ずっと私は寝る時間に想像を巡らせ怯えていた。
私に降って来たのは換気扇であった。
大家さん、ヘルプミー。
降らない換気扇をこの家に。
コントに出来そうだが、私にとっては命に関わるシャレにならない問題なのである。