投稿日:2011年05月16日

2011年05月16日

プロバンスのホテルは街からうんと離れた場所にあるので、残った2日間は何にもしないボーっとした時間にしようと昨夜は思っていたのだが・・・。
朝起きたら天気がいいのでやっぱり出かけたくなった。
とはいうものの、このホテルは車を持っている人達が休暇でやって来るようなところらしく、車がない私の方が浮いている感じがする。みんな車がある人達なので送迎バスみたいなものもない。山を下りてもバス停はそこからまた少し歩かないとない。
車がないと不便なのだ。
せめて自転車でも借りれたらなぁ。
試しにフロントに行って聞いてみることにしたのだった。
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相変わらずフランス語も英語も幼児レベル以下だが、ジェスチャーがだいぶ言葉代わりになってくれているようで、自転車って借りれたりするのでしょうかという質問も上手く伝わったようだった。ホテルの女将さんが言うには、ホテルでは貸し出しをやっていないけれど街のレンタル自転車屋さんから借りることが出来るということで、選択肢としては「タクシーで街まで行って直接店に自転車を借りに行く」か「ホテルまで自転車を持って来てもらう」かのどちらかが選べるということだった。
結局「ホテルまで持って来てもらう」方を選び女将さんからは「じゃぁ、自転車屋さんに電話をして今から来てもらうよう伝えておくから、お部屋にいらしてください。自転車が届いたらお部屋にお電話しますね」と言ってもらってそれで部屋で待つことにした。
それから30分が過ぎ、1時間が過ぎ・・・・。
遅いなぁ。
いやいや、日本に居るときのような時間厳守的な発想はやめよう。フランス人だからお昼休憩は休むのかもしれない。「すぐに」「今から」というのは「お昼休憩」はカウントされないんだと思うことにして、もうしばらく電話を待つことにした。
そうして1時半になり・・・。
すぐにと言ってから3時間ぐらいになるのだが、その後どうなったんだろう。もしかしたら自転車はもうずいぶん前に届いているのではないか。だったら少しでも早くフロントに取りに行った方がいいだろう。と、フロントに自転車が届いたかどうか尋ねに行くことにしたのだった。
「ボンジュ〜ル」
さっきの女将さんが居たので、自転車の件を尋ねたらなんと女将さん、「自転車は今日は来なくなったんですよ。明日の朝に届きます」と笑顔で話すのであった。
え!それは笑顔で話すことなのですか。
というか何故その電話をしてくれないのですか。
ここは日本ではないのだ。このアバウトな感じにカリカリしちゃいかん。自転車は明日の朝には来ているのだからもうこのことについては忘れよう。待ちぼうけの時間がとてももったいなかったと感じたが仕方が無い。近くに大型ショッピングセンターがあって今日はそこが開いているので、せめてショッッピングセンターのカルフールに行って来よう。
こうしてまた、i-phoneの地図をお供にトボトボと山をおりて歩いてカルフールに向かったのだった。これは、”東京に観光に来たが、借りる予定のレンタカーが店に行ったら全て出払っていて、しょうがないのでそこから歩いていける「西友」に東京に来た記念として買い物に行く」というようなもので、旅としてはおかしな行程だと思う。こんなとき、つくづく一人旅でよかったなと思うのであった。
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i-phoneをお供に歩いたら結局、行き止まりで行けなくなり、所要時間の3倍はかかってようやくカルフールスーパーに到着した。i-phoneは頼りにしたい時ほど私に修行の場を設けているように思うのだ。音声翻訳変換ソフトも2つ入れていたにもかかわらず、いざ使おうと思って話しかけたら延々「識別中」のままだったり「識別出来ませんでした」だったりとちっとも役に立ってくれていないのだ。旅の供としてはやっぱり機械はあかん。そう思う。
カルフールは日本にも数年前まであった大型スーパーで、日本にやってきた頃は店員さんがローラースケートか何かを履いて店内を移動しているというのがずいぶん話題になった店だ。ここでマクドナルドに入る。フランスに来てから何度か目にしている光景なのだが、こっちの人はまだレジでお金を払っていない品物をつまみ食いしたりしている。バナナを食べながら歩いている人も居たし、クッキーを食べている人もいて、ここマクドナルドでも私の前に並んでいたカップルがハンバーガーが出来上がるまでにポテトを食べていた。別に悪いことではないらしい。
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カルフールから帰ったら今日は!今日こそは!
ホテルでムニエルを食べよう。ムニエルがなかったとしても魚料理は何かしらあるだろう。そうしてホテルに戻ったらディナータイムに合わせてレストランに行ったのだった。
しかし。
結果から言えば今日も私はムニエルに出会えなかった。
何故かコースの選択肢は肉料理もしくはニョッキで魚料理は一品料理もなかったのだった。肉料理は骨付きのラムか何かでどうも気が進まずにニョッキを選ぶしかなくなり、またしても「フランスに来たんだからイタリア料理は食べない」と決めていたのにイタリアンなチョイスをしていたのだった。
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もうムニエルはないよね。
恐らくこのまま日本に帰って杉並の自宅でムニエルを食べることになるのであろう。
旅もあと残す所わずかとなってきた。
ところで、そろそろ両替をしないとユーロがないんですけれど。
フロントに行って旦那さんに両替のことを尋ねに行くと、ホテルでは円からユーロへの両替はやっていないとのことだった。じゃぁ街に行けば両替所はありますかと尋ねたのだがこれがまた不安なことに「さぁ、円はやっているかどうか・・・」という返事でムニエルどころか現金がないことが悩みの種となる。こちらのタクシーはカードが使えないので、現金支払いでないとダメなのだ。ところがホテルをチェックアウトして列車の駅までのタクシー代が結構かかる。この分のユーロが足りないと思われるのだ。
i-phoneで調べたが、プロバンスの街に両替所があるという情報に全然出会えない。そうだわよね。これだけ日本に海外から観光客が来ているというのに、浜田山駅には「exchange」と看板が出ている店なんてないし、吉祥寺にも阿佐ヶ谷にも高円寺にもないんだから、パリであんなに見かけた「両替所」がプロバンスにないということは事前に考えておかなきゃいけなかった。
お金、ないんだわ。私。
帰れるのかしら。
急にとっても不安になってきた。
調べても調べても両替所情報に行き着かず、半泣きになっていたが・・・・・。最後は眠くなってほとほと疲れたことで、もういっか。と急にレットイットビーな気分に覆われてきてそして寝ることにしたのであった。


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