投稿日:2007年01月12日

2007年01月12日

ダンボを連れて、散歩に出た。
君はいつも郵便局の角の道を、来た方の道でない道を歩いて行く。
何のためらいもなく。
知らない道は嫌いなんじゃなかったかな。
どうなんだろう。
今日も帰り道に、ダンボはそっちの道に進むので、
今日はダンボの進む方に行くことにしたのだった。
この道を通っても帰れる。
家の方角としてはあっていて、数十メートル距離が長くなるだけなのだ。
テケテケ、テケテケ。
しかし、T字路まで来た時にダンボの様子は明らかに変わった。
立ち止まり・・・。
尻尾がお尻の下に入り・・・
顔の表情をかたくした。
「なんだ〜〜!?」
ダンボは顔の表情が変わるのが顕著にわかる犬で、頬がこけて目が飛び出てギョロ目になった。
「ここはどこだ!」
立ち止まったまま、私の顔を見上げている。
「何でこんなところに居るのだ!」
知らんがな。
あんたが選んだ道ですよ。
動揺しているのがわかるのでおかしくてたまらない。
「約束が違う!」
何の。
「騙された!」
誰に。
ここは家の近くで、来たこともありこの道も知っているはずなのだが・・・。しょうがないので、「こっち」とだけ教えると、今度はピューっと走り出したのだった。
知らない道でパニックになり、お尻に尻尾を挟んだまま馬車でも引けそうな力と勢いで彼は走って行く。
走れ、走れ、走れ。
「たまにはこういうのもいいわね」
犬に引かれて、楽チン気分で帰ったのであった。


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