去年は確か6月の下旬頃に、その年初めての蝉の鳴き声を聞いた。
今年はまだ蝉の声を聞かない。
ある日、蝉が鳴き始めたらその後は雨の日には静かだがその夏が終わるまで休むことなく蝉は鳴き続ける。
時期はその年によって違うのだが、今年も本当はもう少し早く地上に這い出してきてもいい蝉達は居たのだろう。
「もうちょっと待とうかな」
蝉は蝉で地中で時を見ている。
最近は”まだ、鳴かないなぁ”と思いながら草野球場の緑の方、窓を開けて蝉を思うようになってきた。
一番いい時期に出て来ればいいか。
幼虫時代を含めて、今年の蝉は少しだけ寿命が長くなったのだと思おう。
今月に入ってから、本格的な梅雨の感じがしている。
私の家では洗濯物が”待ち”状態で溜まる。
カレンダーは7月。
7月。で、いいよね。
と、時々私は一人で確認をしてしまう。
あじさいだけが、雨の中朽ちていく。
雨をもっとあげたかったな。
また来年ね。
あじさい達が、7月になったんだということを教えてくれる存在。
蝉はまだ鳴かない。
でも、あじさいはひまわりがもうすぐ咲くことを知っているから枯れていくのだと私は思っている。
だから。
もうすぐ季節は来るよ。
私が気にしなくても。
蝉も鳴く、ひまわりも咲く季節が。