輸血日。
去年の暮れから続いていた検査結果が出たのだそうで、今日先生の方から病名を聞くこととなった。
大型顆粒リンパ球増多症。LGL白血病とも呼ばれているらしく、ネットで調べていた通りの病名だったので、「あぁ、そうなんだ」とすぐに理解をした。
患者数の少ない病気なのだそうで、白血病という病名がついてはいるが、その性質からすると自己免疫疾患に近いのかなとは思う。自分で自分の正常な細胞を勘違いをして攻撃をしたり傷つけたりするタイプの病気で、筋無力症も同じく自己免疫疾患。思い込みの激しい性格に伴って身体も勘違いばかりしているのかなぁと思うのだった。
エンドキサンという薬で治療をして様子を見るということで、薬の方はもう今年になってから始まっている。効果が出るまでにはしばらく時間がかかるらしく、当初の予定より更に輸血期間は長くなりそうだ。
「じゃぁ、今日はこのあと輸血を受けてきてください」
先生に言われて診察室をあとにする。
時代が少し前だったら私はもう死んでいた。治療と治療による副作用への治療など二重に治療を受けそうして私は今日もなんだかんだ言いながら、輸血を受けたら家に帰れるのだ。
お腹が空いたなぁだとか、寒いなぁだとか、そんなことを思いながらまたお風呂に入ってさっぱりしてあたたかい布団で眠って明日に備える。
仕事があって、人にも会って、日常をほぼ問題なく過ごせている。
まだ生きていなさいと猶予をもらっている。
毎日、私はふと何かしらの一瞬でも自分の身に起こっている奇跡に幸せをかみしめている。
長生きしてご長寿を祝うことは出来なくても、残り時間を心しながら過ごすことが出来たら、それも幸せ。今生きている幸せを実感出来ること自体、幸せな物の考え方だ。
自分にとっての幸せを見つけられたら心穏やかになる。
空気のように存在する幸せだからこそ。
幸せな人が多い世の中でありたい。
もちろん私もその中の一人としていたいのだ。