投稿日:2007年01月18日

2007年01月18日

私は喫茶店でバイトをしたことがある。
そこで一つ、学習したことは「おしぼりでは、顔を拭かない方がいい」であった。私はおしぼりの輪廻、生まれ変わりについて、ちょっとだけ知っている。
油切ったおっちゃんが”プハ〜ッ”と言いながら、首筋やはげ上がった頭というか、境界線を広げたおでこの辺りを拭いていたものが、生まれ変わって来たり、テーブルに落ちている食べ物やタバコの灰を拭いたゾウキンおしぼりが生まれ変わって来るのだということを。
新しいおしぼりを袋から開けて出したら、人間の睫毛と思われるものがもうひっついていた、なんてこともある。
うげげ・・・。
だから、私は<なるべくおしぼりを使わない>時期があった。
しかし、<そういうことに、あまり神経質になっていたら、結果生命力が弱くなるのではないか>という考えもまたあった。
世の中には飲食店でゴキブリが目の前を通っても、食べ物にチビゴキが入っていても、さほど気にならないという人が居る。彼等は「ゴキブリが居るということは、逆に安心で美味しい店の証拠」だと笑いとばすのである。
私には彼等が原始人に見えてしょうがないのだが、生命体としては自分が虚弱であることは認める。なので無菌を求めるよりも、自分が菌に強くなる体作りをした方がいいのだと思い、いくつかの「うげげ・・・」については、自分もあまり神経質にならないよう、折り合いをつける努力をしてきたのだった。
本日、喫茶店にて。
ピザトーストを食べ終わった時に、紙ナプキンかおしぼりか、どちらで口を拭こうかと一瞬考え、おしぼりで口を拭いていると・・・・。
「チーン!ブビビビ。ブビーッ」
一つ隣りの席で油切ったオヤジが、豪快に鼻をかみだした。
<おのれ〜〜>
口を拭きながら吐きそうになった。その男は客のマナーとしても良くない鼻のかみ方だったので、<やめてくれ>と店内の客で睨んだ人は数人居た。
私は、お前の前世を知るのがこわい。
おしぼりは生まれ変わる。
もう、おしぼりで口は拭かないのだ。


“ 2 件 ”のコメントがあります

  1. 明治20年築 より:

    あっ!だめですよ~。おしぼりで拭いては…。
    生まれ変わったおしぼりは、消毒がきつすぎです。
    おやじの油もきれいにおとすぐらいですから。
    肌が荒れてしまいます。
    生命体としては多少虚弱なほうが文化人らしいや!
    と、僕は開き直ってます。

  2. 吉川みき より:

    虚弱な文化人です・・。お正月に続き、またもや昨日からウイルス性の胃腸炎になった模様><やっぱり体が元気な方がいいですね、とほほ〜

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