投稿日:2007年08月23日

2007年08月23日

服部祐民子ちゃんとリハーサル。
リハが終わると二人共お腹が空くので、近くでご飯を食べる。こんな時にはいろんな話をするのだ。
初めてレコーディングをした頃、私は宇宙基地みたいな場所で全くわからないことが沢山あった。レコーディングってどうやればいいのか。何をどう進めたらいいのか、一番の当事者としてそこに居るにもかかわらず、方法を知らずによく現場のプロデューサーやエンジニアの人に「普通はどうやるものなんですか」と尋ねたが、返ってくる答えの大抵は「人それぞれだからねぇ」といったもので、そもそも同業者がやっているその”人それぞれ”を知る機会がなかったので、本当に何もわからない状態でオロオロした時期があったのだ。
私はなかなか同じ立場に居る人と、情報交換をすることがなかったので、ご飯を食べながら今日は曲作りの途中のことやなんかを質問する。
歌詞と曲を書いて自分で演奏をする人の”ハタ織り中”ってどんな感じ。
一致したことがいくつかあった。
食欲が落ちること。
化粧をしていたとしたら、それを落としてスッピンになること。
体をしめつける衣類を身につけなくなること。
ここが全く同じだったので、「何だろうね〜」ということになった。
「じゃぁ、仕上がる途中の歌詞ノートはどんな感じなの?」
これは私は人には見せられない。
はっきり言ってどうしようもなく稚切。このノートを見た人は「この人、だめだな」と苦笑するだろう。自分で書き、それを見て「だめだわ、私」と半泣きになる魔のノートがあるのだ。
祐民子ちゃんも”人には見せられないノートがある”と言っていたが、そこはグレードというものがある。「これでいいじゃない!」と私が手にしたら言うかもしれないので、ここは一致したとは言えない。
一人で作業をしている時のことは、なかなか知ることがないので、そんな話が出来るのも楽しいひとときだ。
今日のリハーサルで、だいたい大枠が出来て、次回のリハーサルは仮の曲順を作ってきてもらって、並べてやってみようという所まで来たのだ。
「なんか、だいぶ見えて来たね」
と、お互い。
祐民子ちゃんとのリハーサルは、何の邪気もなく音楽的で気持ちがいい。まぁ、長い過去において他にそうじゃない現場もあったから、私もこういうことを感じるようになってきたのだが、だがこれが本来のリハの姿なのではないかなと思う。
「じゃ、月曜日にね!」
帰り道の風の温度が、少しずつ秋に変わってきた。


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