神田蘭さんの公演「劇談!マクベス!」本番日。
今回の公演も2月の公演の時と同じ場所、渋谷の伝承ホールだ。
11月は稽古の月。音楽の場合のリハーサルは回数がそれほど多くないが、芝居は稽古がみっちりあるというのがまず最初の違いだ。
あとは4拍子や4小節という単位でなく、セリフを聞きながら音を終わらせたり膨らませたりするので、アプローチとしては難しいと言えば難しいがやっていて楽しさもある。音楽単体での公演も楽しいが、何かの大きな流れの中の一つとして音楽があって、それを担うというのもまた格別楽しい。
ホールに入ると、かなづちの音が聞こえてくる。
舞台のセットを組んでいる音だ。
ステージ上の準備が出来たら、「場当たり」という私に取っては耳慣れない言葉のリハーサルが始まる。「場当たり」というのは、舞台上の照明や大道具の出番のきっかけや出演者の立ち位置などを細かくチェックする舞台用語みたいで、これが一通り終わるとゲネと言って本番と同じことをする。
舞台用語に関しては知らないことが多いので、「へぇ〜っ」「そうなんだぁ〜」と心の中でビックリしているのだが、サポート役なのでとっても頑張って平静を装っているのだ。
今回はエキストラで斬られ役の役者さんたちも出る。
演技指導を受けているが、これも本当は「へぇ〜〜〜っ」「そうなんだぁ〜〜〜」とすっかり見学者になってしまっているのだ。
蘭ちゃんは、打ち合わせ後のリハーサルから既に台詞が頭に入っていて、一部のステージはまた別のアプローチでのステージになるのだが、リハーサルの時からピカピカと光っていた。それに頭のいい女性だなぁとも思う。人前に立つ人のオーラというか、華があってキレもある。今回もまたご一緒出来たのが嬉しい。
今回もチケットは1週間前には完売、満員御礼の会場となった。
公演が終わってからもお客さんにご挨拶をしに蘭ちゃんはロビーへと出て行った。
たくさんの人に愛されている蘭ちゃん。
一回だけの公演で終わるのはなんだか寂しいなぁというのが私の個人的な感想なのだ。