毎日のように、レコーディングのデータや打ち合わせで小泉さんとのメールのやり取りは続いている。
今は岡崎のぞみさんから頂いたリーディングをコラージュする作業やオケの細かい詰めの段階で、行程が進んだりするとそれを送ってもらっているのだが、小泉さんのレコーディングの進め方はとても懐が広くて、データだけのやり取りでもすごくわかりやすく、自分が逆の立場のなった時に出来るようになれたらいいなぁと、実際に作業をしている中でも学ぶところが沢山ある。
しかし、こうしてメールのやり取りを追って行くと、小泉さんと自分との生活リズムが全く違うこともよくわかる。
小泉さんからのメールは朝8時台に送られていたりして、以前に「生活パターンは朝型かなぁ」と伺ってはいたが、本当に小学生が一時限目の授業が始まる前から既に仕事が始まっているんだわ・・・と思う。方や私はと言えば、病院生活で6時に起床、9時に就寝をしていたはずだったのが、最近は昼前起床、明け方就寝になった。私から送るメールに「おはようございます」はない、午前1時台や2時台に「こんばんは!」である。
メールでデータのやり取りをするということは、最近のレコーディングではよく使われるようになった。一昔前はレコーディングと言えば、昼の12時か1時にスタジオに入って、2時ぐらいから音出しが始まって、8時ぐらいに出前のご飯を頼んで、終わるのが深夜から遅い時は明け方、もっと長い時には次の日の昼前までというのが、割とめずらしくはないパターンだった。
朝8時ぐらいになるとソファーで「死んでいる」人が数人居たり、60何時間寝ていないというディレクターさんががい骨みたいになっていたが、そんなおかしな状況も当時はめちゃくちゃめずらしくはないことだったので、それこそがめちゃくちゃだった。
朝起きてパソコンを開けると、「おはよう!」とレコーディングデータが届く。
夜型人間は朝型人間に対して、コウベを垂れる。多分、全般的に夜型人間は朝からちゃんと活動をしている人には、無条件に「すごい」「すみません」「素晴らしい」という気持ちで見上げているものなのだ。
小泉さんもかつてソファーで「死んでいた」ことがあったであろう。
小鳥のような生活が、想像出来ない私なのだ。