放射線治療、最終日20回目。
10分程度の治療のあと、いつものように診察室に行く。2つの腫瘍のうちの照射をした1つの腫瘍はこれからゆっくり効果が出て来るとのことで、少なくともいくらかは進行を先延ばしに出来ると思うということだった。
照射をした方の腫瘍は、2010年に放射線を当てた部分と重なって規定で当てられなかった部分がある。今後それが大きくなる可能性はあるけれど、取り敢えず副作用もなく無事に終われたのでまずは様子をみましょう。これで放射線科に来る事は終わりです。何かあればまたいらして下さいねと言われて診察は終わった。
1つの腫瘍は全く手をつけずに残っていて、治療を受けた腫瘍も残った部分がある状況。ここからはもう神様が私の命の長さを決めることになる。どうなるのかはわからないけれど、それはもう本当に誰にもわからないのだから、そのことを受け入れて毎日の中に楽しみを見つけて過ごす以外最善の道はないのだと思う。
血液検査ではヘモグロビン、血小板共に下がっていたので今日も2つの輸血を受けた。
去年の今頃と、見て感じる景色は変わったけれど、今日の私はそれでも笑って生きている。
今日を幸せだと思えることが大事だ。
私達は蝉よりもうんと長く残りの寿命をもらっている。
まだ見ない景色を私ももっと見に行きたいな。
蝉のあの力強さにはきっと勝てないけれど。
前はもっと悲しくて涙が溢れてばかりいた。
今はまた今日を幸せだと思える力が戻ってきたみたいで嬉しい。