投稿日:2007年09月29日

2007年09月29日

南青山マンダラにて、服部祐民子ちゃんライブ。
ライブハウスは地下にあることが割と多いのだが、この南青山マンダラもそう、店の入り口を入るとすぐのところに階段があるという造りになっている。控え室が上にあって下にステージがあるので、何度か行き来をするのだが、階段の前に立つと「あぁ、昔ここでライブをさせてもらった時には、そんなこと気にもしていなかったなぁ」と、ちょっぴり昔を振り返る。
今日のマンダラはグランドピアノが置いてある。鍵盤が少し古びていて使い込まれた跡があって、子供の頃発表会で弾いたピアノもそんなピアノだった。以前は鍵盤が重く感じていて、自分のライブの時では生ピアノを使わなかったが、去年祐民子ちゃんのライブの時に恐々座ったら印象が変わっていた。
サウンドチェックまでの時間、祐民子ちゃんはギターの弦を張りかえたり、unnoさんはトランペットを取り出して準備をしている。ピアノの場合はピアノの音を拾うマイクを立てる位置の確認があるので、自分が呼ばれたら試し弾きをする。
「ねぇねぇ、緊張したりする方?」
unnoさんに質問をして、そこからそんな話になる。昨日の西川さんのリハーサルでも初対面同士のミュージシャンの会話を耳にしていたが、音楽をやっている人達の間では不思議とライブやレコーディングで一度一緒に音を出すと、その後は知り合って間もない感じがほどける感じがある。unnoさんとも今日が会って3日目なのに隣りの席に座っていても何の違和感もなくて、なんだかそういうのっていいなぁなんて思いながら座っていたのだった。
「ねぇねぇ、unちゃん」
祐民子ちゃんはもっとunnoさんに対してリラックスしている。”とってもかっこいいトランペットを吹くんですよ〜”と、まだ見ぬ”unちゃん”の話をよくしてもらっていたっけ。あれで私の人見知り期間を随分ショートカットしてもらったのだ。
RIMG0061.JPG
4本のライブの今日が最後。
歌を作って歌う人の心の置き処に私は一番興味がある。知りたいと思う。
多くの仕事は、時に駆け引きをしたり自分を守ったりやりすごさないといけない場面がある。それを何とも思わなくなったりすることで自分のバランスが取れていく人、そこで葛藤に陥ってバランスを失いそうになりながらなんとか頑張っている人、音楽は気持ちの仕切り直しに時々必要なものになっている。人は軸足はどちらかに置いていても前者も後者もどちらにでもなり、ついでに矛盾や辻つまの合わないものもたくさん抱えている。
いい人間に、完成された人間になることはないと思うが、時々清らかな自分に戻らなくちゃやっぱりだめだと思う。
彼女がギターで一人で始める今日の「幸せになりたい」は予定よりも長い曲になった。
自分の音が出るところまでの間、泣けてきてしまった。あぁ、困ったな・・・。お客さんで来ているんじゃないんだから、やっぱりそういうのはよくないな・・などと曲の中で心が揺れたりしていた。
「歌を歌うのが大好きなんです」
祐民子ちゃんからそういう言葉は一度も聞いたことがない。
そこが好きだ。
歌を歌い届けようとする姿に、私は横で一生懸命になれる。
初めてライブを見た日。
初めてのリハーサルの日。
そして今日も。
私は歌を聴いて結局泣いた。
清い水が自分の中から溢れていった。


“ 2 件 ”のコメントがあります

  1. たく より:

    マンダラ
    過去2回行ったことがありますが、あそこは音が”ほんわか”するんですよね
    あの空間をうまく使うと音が全てを包み込む
    そのときのアーティストではそう感じたんです。
    別の会場ではそんな感じはしなかったんで
    マンダラはそういう場所なんでしょうね
    今回は行けませんでした というか 遠くまではなかなか行けません
    ですが、いずれまた行きたいです

  2. 吉川みき より:

    いい音のライブハウスですよね^^中はコンクリートっぽい壁があったりするのですが、ほんとそうですね。冷たい感じがしません。ピアノも優しい音がするピアノでしたね〜♪またマンダラでもライブがしたいです。是非またいらしてくださいね!

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