今日は緩和ケアの初診日。
先月末に呼吸器外科の診察を受けた時に、先生から「もう治療はこれ以上は出来ない」ということ、「腫瘍は1ヶ月で大きくなるかもしれないし、先のことはわからない」ということなどを説明され、今から緩和ケアの方にかかって準備を始めるのがいいと言われたのだった。
準備って何のですか。
「肺炎の痕」という見立ては後に胸腺腫だったことがわかり、「これは気になるようだったらちょこっと麻酔してすぐ取れますよ」と言っていた別の腫瘤についても、2ヶ月後には触れる事もなく、もう治療出来ることはなくなったのでと緩和ケアに丸投げされた私としてはずっと腑に落ちないままでいた。
もう病院に行くのはいやだなぁ。
いろいろな不信感で心が何度もつぶれた。
緩和ケアに行ったら今度は何を言われるんだろう。
行くの、やっぱりいやだなぁ。
今朝もドタキャンしようかさんざん迷ったが、真面目な性格のせいかやっぱり行くことにしたのだった。
名前を呼ばれて診察室に入ると先生と看護師さんが座っていた。
どういう経緯でこちらに来る事になりましたか?と、尋ねられたので今年の入院とその後のだいたいの流れを話して、「出来る治療がなくなったということで、こちらを勧められて、それで来ました」と答えた。
すると意外にも「たくさんの科にかかっておられるようですが。科と科の連携は取れていなかったりしませんでしたか?」と先生は言うのだった。
まさに、その通り。
カルテがあっても他の科のことは見ないし、「うちの科」のカルテだけで診察をすることにいろいろな弊害は起き、危険さえ感じたほどだった。
初めてそんなことを理解してもらえたことにまず驚いた。
そして話をしていくうちに、私の感じていた「何か違う・・」という不信感に初めて共感してもらえたと感じたのだった。
一つの科では治療方法がなくなっても、そこが終わりではないということ。
ここから先が実は長い。なるべく共存して元気に過ごせる方法を探す方に目を向けるのが大事だということ。
西洋医学だけが全てではなく、漢方や鍼灸など代替療法も効果を上げているということ。
そして科と科が別々に自分の科のことだけを見て診察をするのはよくないということ。
だから、ここからをまたスタートとして頑張って行きましょう。
これらを先生の口からハッキリ聞いて、正直言って驚いた。
先生は元は外科の先生だったのだそうだ。いろんな科が別々に診察されているところを一つにまとめて全体で見て行こうと言ってもらって、あぁ、私はようやく探していた先生に出会えたのかもしれないなぁと思えたのだった。
最初の入院でお世話になった角田先生。先生が大学病院をやめられてからは、ずっとずっと心細かった。いろんなことがあった。病気になったら一番の鍵はどんな先生に巡り会えるかしかないと思う。患者は病気が治ることはそれは一番の望みだけれど、だけど「この先生に診てもらえてよかった」と思えることが一番の望みと同じ位重要な出来事になるのだ。
「はっきり言って厳しいですね」
「どんどん悪くなっています」
パソコンのカルテを見ながら説明をされてきた。何か悪いことをして判決文を聞くような気分だった。もう少し言葉を選んで欲しいと毅然と言える元気もなく、「はい」と答えるしかなかった。
崖っぷちに立っている人間を、もう後ろから押さないで欲しい。
こんなでも私は毎日が幸せなのだ。
崖っぷちからだって青空が綺麗に見える。
崖っぷちに立てばみんなそこからダイブするわけじゃない。
そういうことを、今私は大事にしたい。
素晴らしい景色はいくつだって見る事が出来るのだ。
いつもは拝見させてもらっているだけですが、今回だけは書き込みたくなりました。
日本では緩和ケアと言われると、終末期のイメージが強く、緩和ケアを勧められただけで、気分的に「もう終わりだ」とか、「回復の見込みがない」とか暗いイメージしかないような気がします。
父の件があり、講習会に行ったりもしましたが、実際は、必ずしも終末期ケアだけではありません。
「緩和ケア」と言えばイメージするのは「終末期」、浮かぶのは「ホスピス」でしょうか。
ホスピスは緩和ケアの1つであり、それこそ例えば、初期の癌だとしても、告知と同時に、治療する科と並行して、家族も含めて緩和ケアを受診するのが良いのだそうです。
治療の方針を相談したり、薬を調節したり、あとは患者本人だけでなく、家族の心理的なケアもする、そういう科だそうです。
だからむしろ、みきさんも、もっと早く受診していても良かったのかもしれませんよ?
良い医師に巡り合えた。
それだけでも、儲けものじゃないですか。
崖っぷちでも、淵に背を向けて踏み出せば陸ですもの。
元気な私が言っても陳腐ですが、まだまだ青空、沢山見上げてやりましょうよ。
…長々、生意気に失礼しました。
素晴らしい医師に出会えて本当に良かったですね。言葉ひとつで、言い方ひとつでこんなにも違うものなのか、考えさせられました。
みきさんのことをしっかり受け止めてくださるし医師に巡り会えて本当に良かったですね。病気を抱えていても良い状態を保っていくには、医師との信頼関係が重要かと思います。
私も胸腺腫発覚から7年目。主治医が代わってから5年目、ようやく何でも言えるようになりました。
緩和の先生のおっしゃるように、先生と出会えた今がスタートと考え、先生といっしょに病に向かっていってください。応援しています。
新しい出会いも、懐かしい出会いもまだまだ沢山積み重ねていきましょう。
年が明ければお待ちかねのライブ、そしたらすぐに桜が咲きますよ!
信頼できそうな先生に出会えたとのことよかったです。
私はみき先生にピアノを教えていただけたこと、本当に楽しかったですし
よかったなと思っています。音楽の楽しさが分かりました!
またみき先生の演奏を聴きに行きたいと思います。
あっこさん
書き込み、ありがとうございます^^そうですね。緩和ケアと言うと終末期のイメージでした。呼吸器外科の先生の説明は実際にそうだったのでやっぱり暗く重たい気持ちになりました。でも緩和ケアの先生は、話す切り口が少し違っていて、同じ物事でも言い方一つで患者の心は変えられるものなのだなぁと感じました。サボらずに行って本当によかったです。今後もここでいろいろ診察で感じたことや出来事、書いて行きます。何かの折りに誰かが目にして、何か参考にしてもらえるような形に残せたらと思っています^^
がんばれ!げんさん
言葉一つで人の心は大きく変えられるんだなぁと思いました。私も自分が誰かに何かを話すときはこのことに気をつけていきたいです。げんさんもお身体ご自愛下さいね!
こまちさん
主治医の存在は大きいですよね^^ようやく何でも言えるようになってこられたとのことでよかったです。播種が少し小さくなられたご様子でこちらもよかったです。ステロイド、やっぱり効くみたいですよね。私は免疫抑制剤増量で播種が出てきてしまったので以後は注意しています。引き続きお大事になさってくださいね!
雷蔵さん
新しいライブも懐かしいライブも、重ねていきたいと思います!1月は楽しいライブにしたいです。寒くてそちらはだいぶ雪が降っているようですが、気をつけてお過ごしくださいね!
みさとちゃん
いろいろ聞きたかったことが今度は聞けそうなので、いい関係にしていきたいです^^師走に入ってお仕事もますます忙しくなるかと思いますが、風邪などひかないように今年、あとちょっと、お互い元気で走り切りましょうね!
久しぶりにブログを拝見しました。
あっこさんの繰り返しになってしまいますが、私からも・・・
緩和ケアとは、命に関わる疾病において、
患者や家族の心と体の痛みを緩和するケアのことです。
したがって、初期から痛みを緩和する治療が望まれます。
しかしながら、ターミナルケアと混同されるケースが多く、
「緩和」の言葉を聞いただけでショックが大きく、
拒否されるケースも多いです。
そのため、やむを得ず、「緩和ケアチーム」から
「がんサポートチーム」などに名称変更した病院もあるぐらいです。
なぜ痛みを緩和するかというと、痛いと運動できないし、
生きる気力も衰えます。
緩和することで生きる気力を維持し、体力増進にも寄与します。
麻薬という人もいますが、緩和のためなら常習性はないし、
副作用を超える効果があります。
是非、心と体の痛みを我慢せず、それを緩和して、
生きて、生きて、生きまくってください。
また、素敵な音楽を聴かせてネ
ありがとうございます!緩和ケア、行ってよかったです。まだこれからが長いんですよと言っていただけただけで、キュ〜ッと硬くなっていた心身がほぐれた気がしました。時間を大切に過ごしたいと思います。レコーディングの続きもまた始めたいと思っています!