今日はプラハを出てドレスデンに行くので、9時半頃にホテルを出てタクシー乗り場までコロコロとスーツケースを押して歩いて行く。
プラハに着いた時には完全に壊れてはいなかったが、石畳みの道はスーツケースの割れの部分に負荷がかかっているらしい。
頑張っておくれ。相棒。
それと、国際キャッシュカードが使えるATMをこの2日でとうとう見つけられなかったので、昨日の午後ぐらいから1000円ぐらいの買い物もカードで払うことになり、現金ではギリギリタクシーに乗る分をキープするだけになってしまった。
タクシーで駅にさえ着けばあとはユーロ圏に入る。頑張れ、あともうちょっと。
チェコのタクシーは昔は悪質だったのだそうだ。ぼったくりがひどかったのだが、最近はAAAという政府お墨付きの信頼出来るタクシーが出来たので、ガイドブックでも必ずAAAタクシーを利用するようにと書いてある。
AAAタクシー。これだわ。
やや荒くれ者風のタクシーの運転手さんに見えますが。
そうよ、見えるだけね。
手持ちのコルナが足りるか一応料金が気になったので、乗ってからしばらくしてクレジットは使えるかと尋ねたら…。
残念、使えないという返事だった。
そこで手持ちのコルナを見せて、ではこれで足りますかと聞いたら、運転手さんは「あぁ、これじゃぁ足りないね」とあっさり言うではないか。
わ、わたし。
まさかの無賃乗車?
いや、そんなつもりはないんです。
ていうか、ちゃんと見て。
小銭も合わせたら行けるはずだから。
足りないんだったらこれだけ分で行けるところまで!
無賃乗車する気はないんです!
これだけしかお金を持っていないから、これだけ分で行けるところまで!って、どうお願いしたらいいの!
と、言葉に出来ずただ車内でキョロキョロしてしまう。
すると。
「ユーロで払ってくれればいいよ。」
「おぉ!ユーロOK⁉︎」
よかった。私、ユーロなら両替して今持ってんの。
ホッ。
と、安心したが駅に着くと10ユーロ請求された。おやじは、悪そうな笑みを浮かべてトランクからスーツケースを出してくれたが、そのまま去って行ったので、マナーとしてのチップもたっぷりおやじの方で勝手に上乗せしたのだろう。くそ!義務付けられているメーターも倒さずに。優良なタクシーは嘘なのだ。
ぼったくりタクシーに乗ってしまったとは。
が、無事にプラハ中央駅に到着。
忘れよう。
だいいちクレームを伝える術を私は持っていない。
ここからはドレスデンに向かう列車に乗る。多少わからないことがあっても、急ぐ理由はないのでとにかく着いてくれさえすればいいのだ。
まずは切符を買いに行くことにした。
過去の旅では列車に乗ることに慣れていなかったのでチケットも日本で購入していたし、駅の構内図も事前に調べたりしていたが、少し学習出来たのか流れがわかってきた気がする。
まず切符を買う。
で、次はホームはどこかしら。
こちらはホームに入るのに改札がなく、構内の店やカフェなどがあっていきなりプラットホームがある。
自分の乗りたい列車のプラットホームはどこかしら。
表記は全部チェコ語。何処に行く列車なのかがまずわからず、しばらく考えていたがここで近くにいた年配の女性に尋ねることにした。
チェコではエクスキューズミーと声を掛けただけで、後ずさりされることがあり、今日も1人目の女性には私はメキシカンなのと言われ、2人目のこの女性も一旦は私は無理よと後ずさりしたのだ。
いや、ここはしぶとく粘らねば。
チケットを見せてドレスデンに行きたい旨を再度伝えると、一緒に列車案内の掲示板を見てくれて、最後に「7番」のプラットホームだわと教えてもらえた。
ありがとう、マダム!
ECという列車に7番ホームから乗り、いよいよドレスデンに向けて出発。
列車はコンパートメント仕様の座席で、6人掛けの個室になっている。列車はエルベ川沿いにずっと走るのだそうで景観が美しい列車としても知られている。
のどかな景色だ。今は冬枯れの景色だが緑の頃や紅葉の季節はもっと綺麗な眺めなんだろうなぁ。
ところで。
飛行場での入国審査は厳しかったのに列車に乗ったら隣町に行くように隣の国に行けるんですね。国境を越えたら新しく車掌さんが検札に来るだけで何事もなくドイツに入国していたのだった。
プラハを出て2時間と少し、ドレスデンに到着した。
世界最古のクリスマスマーケット発祥の地と言われている街だったので、プラハよりもこじんまりとしたヨーロッパの田舎町のつもりで来たら、ややアメリカンな駅前の風景。道路も広く車社会の街みたいでまずそこに驚いた。
タクシーでホテルまで連れて行ってもらう。今度の人は紳士でよかった。メーターもちゃんと倒して走ってくれるし、安心して乗れたのだ。
ホテルにチェックインして少しゆっくりしたら、今日は少しだけ探検することにした。
まずは大型スーパー。
私は旅先で地元の人が買い物に来るスーパーが好き。
花やお肉や魚などは買えないが、フルーツやヨーグルトなどをちょこっと買ったりして暮らしている気分を味わうのが嬉しい。
スーパーでお買い物を味わった後はトラムに乗ってみた。
ホテルでもらった地図にはトラムの路線図も載っているので、これがあれば一日券を買って乗り降り自由な散歩が出来るのだ。プラハでは車内で切符が買えなかったがこちらでは車内で買えるらしい。事前に調べたトラムの乗り方を元に早速試してみたのだが…。
車内に乗ったがチケットをどこで入手するのかが早速わからず、次の停留所で降りて運転席をノックして運転手さんに聞くことになった。
車内に乗る時に運転手さんからチケットを買うのだと思っていたら車内に販売チケットがあってそこで購入するみたいだ。
そこで車内の販売機を見つけて、一日券を買うことにしたのだが…。
ここでまた問題が起きる。
どのボタンが一日券なのか。
事前に調べていった一日券4.5ユーロに該当するチケットの購入ボタンが見当たらないのだ。
近くにいた若い美男美女のカップルに尋ねると一日券は6ユーロ、紙幣が使える券売機と使えない券売機があるようで私の乗ったトラムは紙幣が使えないタイプだった。
今のところまだ無賃乗車中。
困っていたらカップルが紙幣を両替してくれた。
ありがとう。
とても助かりました。
事前にガイドブックやネットで調べて行っても、その後料金の改正があったことを知らずに現地で戸惑うということは何度かあった。今回もそのパターンだったみたい。フゥ~っ。解決してよかった。
それにしても。
ドレスデンのホテルはどこもほぼ満室のはずなのに、観光客はどこにいるんだろう。日常生活を送っている人達ばかりに見えるのだが。特に誰も盛り上がっている風でもなく、観光客がキョロキョロしているようでもなく、本当に満室になる程観光客がやってきているのでしょうか。
今日は欲張らず旧市街の広場で開催されているというクリスマスマーケットに寄ったら帰ろう。
トラムを乗り継いで会場に向かうと…突然華やかな一角が現れたと思ったらそこがクリスマスマーケットの会場だった。
お店が沢山出ていていい匂いがしている。大人達はみんなホットワインを頼んでいるみたいで、陶器のカップを手にあちこちで楽しそうに談笑している。
メリーゴーランドにミニ観覧車。出店はクッキー屋さんやクリスマスオーナメント、毛糸の帽子を売っているところもあれば木の人形を置いている店もある。食べ物やお菓子も豊富に売っているが、私が欲しいなと思ったのはクリスマスの窓辺に置くタイプのイルミネーションオブジェだった。
日本では見たことのない飾り。
いいなぁ。
写真をパチリ。
私にとってはここにいる人達がこの近所の人に見えるが、きっと彼らの多くが旅行者なのだろう。ドバイ乗り継ぎを境に日本人と会ったのはプラハのボタニカルという店の店員さんだけ。今回の旅もほぼ日本人に合わなかった。
雨がポツポツ降ってきた。
今日はもう帰ろうかな。
トラムの乗り方を覚えたので帰りはすんなりとホテルまで戻ることが出来た。
ホテルの部屋はまぁまぁ快適。
バスタブがないのと電気ポットやコーヒー紅茶がないのがちょっと残念。
明日は昼間と夜のドレスデンを楽しみたい。