投稿日:2007年12月14日

2007年12月14日

バス通りに建つ、売り出し中の2軒の家の前を久しぶりに通った。
ある日新しい家が建ったなと思って、それ以降前を通るたびになんとなく気にしていた家だったのだ。1軒は割と早い時期に売約済みとなって、家って売れるんだなぁと思っていたらその後しばらくして売約済みだったのが、また売り出し中の物件になっていた。
夏にはプランターの花が置かれていた。花が置かれていたのはよかったが、秋になると突然、運動会の時にしか見ないような世界の国旗が家にかけられていた。社員さんが毎日のようにガレージの所に座っていたが、家ってやっぱり大きな買い物だなぁと思ってみたりと、前を通るたびに、その家のことについて何かしら考えるようになっていたのだった。
あの家は・・・。
まだ売れていない様子。
国旗は外され、今日は誰も座っていなかった。
しかし・・・・。
こんなに前を通っていて、何故数ヶ月気づかなかったのだろう。
家が売れない理由は恐らくこれだったのだ。
新築の2軒の道路を挟んだ斜め向かいには、高圧線鉄塔が建っていたのだった。そして2軒の上にはほんのちょっとズレてはいるものの、高圧線が通っているではないか。
私はこの鉄塔、もう見慣れすぎて見えていなかった。
以前、高圧線の鉄塔のそばで長く生活をしていると、脳腫瘍になる率が高くなるというデータをテレビでやっていた。体に何かしら影響を及ぼすかもしれないということは、やはり大きな不安要素となるのだ。
わけあり物件ってことになるのか・・・・。
前の家の近所にも、違法建築ということで誰も住んでいない数軒の家が新築のままずっとあった。
大きい家、小さな家、古い家、素敵な家。
人が住んでいるのだと思えば、どの家もあまり気にせず私は流して見ているのに、人が住んでいない家の前を通る時には足を止めて見上げていることがある。
人が住まない家の辺りは、温度が低く感じる。
今日も「ただいま」と部屋に入れば、ダンボが布団から顔を出してこっちを見ていた。ヒーターをつけた瞬間、まだあたたまらないこの部屋が、妙にあたたかく感じたのだった。


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