西川峰子さんが出演されているお芝居、「玉つき屋の千代さん」を池袋に観に行った。
ビリヤード屋さんの女主人の波乱万丈な人生のお話で、実話が元となっているので、昭和のはじめ頃から観客も一緒に時代を感じながら楽しめる内容でもある。戦争後の苦しい生活の場面も決して重い表現ではなく、常に光がある方を向いての見方で書かれているので、”観て楽しめる”お芝居だった。
配役は「千代」が浜木綿子さん、千代の旦那さんが赤井英和さん、千代の妹夫婦が加藤茶さんと西川峰子さんでお客さんは平日の午後ということもあってか、60代ぐらいのご婦人方が圧倒的に多かった。
ウチの隣りのご婦人も、たまにお洒落をしてコンサートやお芝居に出掛けておられるが、会場はまさにそういう女性達で埋めつくされていて、まずお客さんの活動的な空気に驚いたのだ。
以前、入院をしていた時に60代の女性の患者さん達が、「50代が一番楽しかったわねぇ」「えぇ、ほんとほんと!」という会話で盛り上がっていた。60代はさすがに肉体的にちょっと衰えを感じるということなんだろうが、子供が巣立って自分の好きなことに時間が使えることを、心から楽しめるのが50〜60代の女性なんだろう。
それにしても、70代や80代のおばあちゃま達もお洒落をして来ているので、こんなに観劇が好きな人達が居たとは・・・と、これがかなり意外だった。
加藤茶さんは、舞台に登場しただけで会場が沸いた。「へっくしゅん!」のくしゃみが出ると、更に沸いた。役柄よりあまりに「加藤茶」が大きくて、どんな役をやっても「加藤茶」にしか見えないってものすごいことだなぁと思った。
峰子さんも可愛い妹役だった。
お芝居と歌はやはり成り立ちが違うので、両方出来ることにまず尊敬をするのだ。
あとでご挨拶に楽屋を訪ねた。
「あら、入ってちょうだい」
お芝居が終わると周りの人間に気さくな峰子さんだ。
また今年はこのあとレコーディングの予定がある。よろしくお願いしますと挨拶をして会場をあとにした。
一日2回公演って大変だなぁ。
外に出たらまだ午後のまぶしい日差しが、池袋のロータリーの石畳みに差していた。