夜、bassの植田くんの家のポストに、データと譜面を入れにバイクで出掛けた。
東京に来てから、こんな仕事があるんだと驚いたものに「バイク便」という仕事がある。4000円ぐらいだったかの値段でその日に集荷に来てもらってそのままバイクの人が、物を届けに行ってくれるという超特急便で、高額な料金なので自分では利用をしたことはないが、バイク便で急ぎの資料を受け取ったり、バイク便で納品をして下さいという指示で利用したことはあるのだ。
都内の道路ではこのバイク便の人をよく見掛けるので、需要は結構あるのだろう。
音楽データは最近は「宅ファイル便」「ファイルオクール」などで送れるようになり、バイク便を使うことはほぼなくなったが、今日は譜面もあったのでバイクで届けることにしたのだった。
セルフバイク便。
夜も10時台となったので、資料を投函したらメールで「入れたよ」と連絡をすることになっている。
のだったが、
セルフバイク便、詰め甘し。
植田くんの家が近くなって来た時に、度々家を訪ねているにもかかわらず、部屋番号が何番なのかを忘れてしまったのだった。
多分、201。
いや、多分じゃダメだ。
何番だったかな。
いつも何かしら抜けていて人に迷惑をかけているので、ここはなんとか、また「部屋番号、忘れちゃった」などといった間抜けな連絡をするのは避けたい。
結局部屋番号を思い出せないまま、植田くんの家に着き、ポストに名前が書いてあることに望みを繋いで、マンションに入って行ったのだった。
すると。
なんとラッキー。
マンションのゴミ置き場にゴミ捨てをしに、まさに本人がこっちに向かって歩いて来るではないか。しかも夫婦揃って本当に「バッタリ鉢合わせ」ぐらいのタイミングで偶然に会えたのだった。
向こうからは<ヘルメットをかぶった配達の人っぽい人が、こっちを見てニコニコして>見えたのだそうだった。
はい、まさしく私はその「配達の人」です。
二人はそのまま散歩に出るところだったそうなので、あそこで会えなかったら携帯に電話をしても通じず、すごすごと家に帰るしかなかったのかもしれない。
本日はナイスタイミングで事が運んだ。
素晴らしい。
例え「仏滅」でも、このように良い形で一日が終わることがある。お手本のような日であった。