イタチのゴン太が亡くなって、今日で一年になる。
私はその時、京都に居た。
いろいろな気持ちがそのあとも整理が出来なくて、私の過去の悲しい出来事のうちで、蓋をしないと自分の心が潰れてしまいそうになる少ない出来事の一つとなったことは確かだった。
ごんちゃん、ごめんね。
一年経った今日も手を合わせる。
フェレットという動物は、一緒に暮らしてみると賢くまた感情も豊かで、実際私自身思っていたよりもうんとコミュニケーションの取れる本当に愛らしい生き物だった。
あのフェレット独特の臭いニオイは、もう私の家から消えた。
それなのにペットショップに行くと、今でもフェレットコーナーを探し、買っても仕方がないフェレットフードを眺めていたりする。
リードもケージもまだ家にある。
いつでもフェレットとまた暮らせる環境を保ちながら、かと言って新しいフェレットを飼うわけでもない。
全くややこしい自分が居る。
ごんちゃん、許してね!
明るく心の中で呟いてみる。
大好きな季節、秋。昔からそう言ってきたのに、自分が大切に想う存在がいつからか秋に居なくなってしまうことが増えてきた。だからここ数年は秋の始めは「大事な誰かが居なくなってしまうんじゃないか」と心細い気持ちになることがあるのだ。
秋は好きだけど少し寂しい時があるよ。
ごんちゃん。
忘れないよ。
忘れる必要もない。
あぁ、そうだね。
同じ温度の風が、またこの街にも吹くようになった。
振り返ると嬉しそうに尻尾を目一杯振るダンボが居て、私は思わずギュっとダンボを抱き締めた。