今日はお世話になった鼓土里座をあとにして、飯田に向かう。
高速に乗れば、中津川と飯田までは思ったよりすぐだ。アウルのみんなはもうこの街には度々訪れているので、街のどこに美味しい店があるのかなどの詳しいことまで知っていて、一緒に車移動をしたベースのぺっぺいくんが「ココのジェラートが美味しいですよ」と信号待ちの時に指を差して教えてくれたりする。
アウルとの旅は初めてなのだが、どこか気楽。
飯田の市街地に入ったら、中心部は割と碁盤の目のような区画がハッキリしていて、建物は高いものはほとんどなく低層の店舗が真っ直ぐに続くという印象を持った。
都会のようなクリスマスイルミネーションの華やかな景色はあまりなく、雪のない冬景色といった感じだろうか。東京の気温より低いかなと感じる。
「今日、泊まるのは砂払温泉ってとこです」
今日は開演時間が少し遅いから、先に宿に入って、お風呂に入ってからライブハウスのcanvasに行くのだそうだ。
みんな、よく眠くならないなぁと思う。
温泉につかってほっこりしたら、私はそのあとで眠くなっちゃうんじゃなかろうか。と、言いつつ温泉につかりに行って結局浴衣に着替えてくつろいでいたのだった。
canvasにはとにかく音楽に熱いオーナーが居る、と、メンバーがことあるごとに話してくれていた。「いつか連れていくし」と会う度にそう言ってもらっていたので、やはりこういう特別な想いのある所に連れて行ってもらえるのは嬉しいことだ。
そうだ、それに私にとっては初の長野でのライブじゃないか。
よし、今日は自分の曲のコーナーもあるから、そこでそうご挨拶しよう・・・と思っていたのだが・・・
本番では大失敗。
頭で「今日は初の長野・・・」と言っているのに、出てきた言葉は「今日は初の名古屋・・・」だった。
あ!すみません!
時々、私はこういう失礼をしてしまう。
ずっと前には船で行った北海道だったので「島」のイメージがなんとなく抜けずに札幌の街のド真ん中でライブをして、その時のMCで「この島は・・・」と明るく言ったことがあった。後で関係者の方から注意を受けたのだ。
今日は音響設備が更にしっかりしたライブハウスでの演奏だったので、アウルのメンバーは昨日にも増してすごいパワーでライブを進めていった。
終わってからの打ち上げでアウルのメンバーはよく笑っていたと思う。canvasのスタッフの女の子達もそれぞれ音楽をやっていて、みんな夢を持っている。
あまり話は出来なかったが、真っ直ぐな音楽への気持ちが昔の自分の気持ちと似たものを感じて、また未来で会う為に自分も頑張って続けていなくちゃなと思った。
音楽に熱い街、飯田の夜だった。