午後、銀座でMAの打ち合わせ。
銀座、有楽町、丸の内の辺りは1年に数える程しか来ることのないエリアで、去年は日本橋の三越と銀座の三越は同じ三越だと思って疑わなかったほど、地図が頭の中に入っていないのだ。
「銀座」と聞けば人々は何処を連想するだろう。
高級クラブがある場所を私は知らない。だいたいわかるのが百貨店の位置なのだが、一番私がホっとするのは不二家だ。昔、新幹線で東京のおばあちゃん家に遊びに行く時に、それまで超高速だった新幹線のスピードがグっと落ちて、「まもなく東京、東京」というアナウンスが聞こえて来る辺りで右側を向いたら窓の外に不二家のビルがピカピカと明るく目に入った。私にとっての「東京に着いた印」が銀座の不二家だったので、今でも私の頭の中の銀座地図は「不二家」を中心にあるのだった。
だから不二家が見えない場所だとさっぱりわからない。
地下の駐車場からエレベーターで上がったら、何故か日産の会社の中に居た。
なんでこんな所に迷い込んでしまったのだ。
よく知らない場所に行けば、迷うかわりに知っている場所では絶対にないような場所に紛れる驚きもある。会社勤めをしたことがなく、「オフィス」にあこがれがある私にとって、ちょっとだけ会社体験が出来たのは嬉しかった。
IDカードを首からブラ下げたかった。
ちょっとした冬の遠足であった。