「ムサシを探しています」の張り紙は、あれから何度も雨に濡れて、ビニールをかけてはあっても歪んで少し古びた状態になった。
ムサシはどこに行ったんだろう。
こんな時、猫と暮らす人の気持ちはどうなんだろう。
私なら「どこかで死んでしまったんじゃないか」という絶望的な悲しい気分に覆われながら「どこかの家で元気にして帰って来ないだけ」という一筋の光を胸に、ハッキリしない毎日に疲れながらも、ハッキリしないことに同時に気持ちのよりどころを置いているような気がする。
不意に居なくなってしまうなんて。
私はただのご近所さんでしかなかったけれど。
私も寂しいよ。
張り紙の看板が、雨によれてまた日に褪せて少しずつ傷んで行く。
ムサシ、どこに行ったんだろう。
どうしちゃったんだろう。
ダンボを連れた夕方、私もあれから少し遠くまで散歩に出掛けるようになった。
私も、ずっと気になってました。
どこか、居心地のいいお家を見つけたのかなぁ?
ムサシちゃん、見付かるといいですね。
今もまだ張り紙がしてあるままなんですよ。見るたびにどうしたんだろうなぁ・・と思いをめぐらせてしまうので、どこかでかわいがってもらっていたらいいな・・とそう思うようにしています。