投稿日:2007年03月23日

2007年03月23日

今来てもらっているヘルパーさんはとても料理が上手なのだ。同じ冷蔵庫の中にあるものでも、Yさんと私とでは冷蔵庫の中の物の見方が違う。「思いつく」レベルが違うのだ。出来上がった物を見ると、それがあきらかにわかる。
Yさんは現在の福祉関係の仕事に就く前は、新宿で昼はランチの店で洋食を、そして夜は小料理屋のママとして和食を作っていて、料理は小学生の頃に既に好きでお弁当も自分で作っていたのだそうだ。
「美味しいですね・・・」
味だけじゃなく、後味にあったかいものが残る。辞められた店にも多分常連のお客さんがいたことだろう。
私は食に関して「美味しい」と思うことはあっても、また食べたいなという欲はあまり沸かない方だ。それがYさんの作ってくれる食事は、また食べたくなる気持ちにさせる。もう一回食べたくなる料理なのだ。
捨てるのを忘れて残っていたシワシワの白菜が、パスタの材料となって料理となって生き返る。他にも中にあるのに見えていない調味料や食材が意外にあることを、Yさんが作ってくれる料理を目にして、あらためて思い出したりする。
女性の多くは、自分の家の冷蔵庫の中を見られるのを厭がる。私もやはり冷蔵庫の中は、他人に見られるのはとても恥ずかしい。だが、普段密閉された秘密の箱は思い切って料理上手な人に預けてしまう日があってもいいかもしれない。
冷蔵庫の中に、新鮮な風が吹いて行く。
ピチっと閉めることが大事だと思ってきたが、冷蔵庫も、風通しのいい方がいいのだ。
他の物も、風が通った後の景色が好き。
思っているよりも多くの宝物が入っていることに、私のように気づく人がきっと他にも居るだろう。


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