今の家から割と近い場所に、どうも泉麻人さんが住んでおられるみたいなのだ。
泉麻人さんのコラムやエッセイは一時よく読んでいて、その頃の文章によく出て来ていた「落合」が生活圏だったと思う。で、勝手な思い込みにより、「先生は持ち家に住んでいる」ので引っ越しをするはずがないという感覚で居た。
いつだったか「出没!アド街っく天国」という東京の町を紹介する番組で、泉麻人さんが出ているのを見た時も「落合に住んでおられるヒト」だと連想したのだ。
それが、この半年の間に近所の普通の道で、二度もご本人の姿を見掛けている。店があるわけでもない。この辺りを歩くのは、ここら辺に家がある人だけといった状況に「近所にイズミアサトが住んでいる」ということが、ほぼ確定となってきた。
テレビで顔を一方的に知っているヒトを見た時・・・。
一瞬、私は「あっ!」という顔をして怪訝な顔をされることがあるのだが、その時の「あっ!」は「テレビで見た人!」の驚きではない。
「知っている人だけど、誰だったっけ!」
うろたえている「あっ!」なのだ。
”思い出さなくては・・・”とあせっているうちに通り過ぎてしまい、取り合えず軽く会釈をしていたりする。で、しばらくしてようやく頭の中が整理されてきて「テレビで見たヒトだった」と思い出すのである。
泉さんの場合もそうだった。
だって、こんなに不意に脇道から泉さんが出て来るとは思わない。
しかし、二度あることは三度ある。のだ。
今度会ったら、「あっ!」と驚かないかわりに、緊張して目を見られずによそよそしくしてしまいそうで、結局極端な態度になってしまうのであった。