運転免許の書きかえに行った。
新宿の都庁に入るのは初めてなのだ。
ここに本当に更新センターがあるんだろうか。入り口で守衛さんに尋ね「入って右側にありますよ」と教えてもらって中に入ってはみたが、しばらくは場所がわからずおどおどしていたのだった。
実家にいた頃の更新センターは、市民会館の裏にあるプレハブの簡単な建物だった。塾にでも行くような感じだったのだ。そして前回、前々回の更新の時は車いすで府中の更新センターに連れて行ってもらった。この時はマンツーマン指導を受けたので、家庭教師の先生についてもらった感じがあったのだ。今日は塾でもなく、家庭教師でもなく、「東京って大きな街なんですね」気分となり、東京見物にやってきた感じがしたのだった。
運転免許の更新に来ると、同じ日に更新に来ている人達と一緒になる。なるのだが・・・。
これは免許取り立ての頃から思ってきたことなのだが、どういうわけか、私には男性みんなが悪人に見える。ただ普通に誕生日が来たので、その日仕事の都合をつけて真面目に講習を受けに来た善良な市民の人達なのだが・・・。どうも電車の中や街中での人混みにはない”違和感”を感じてしまうのだ。
何故だ。
個人的に”うさん臭く”感じる「男性がポーチを持つ姿」の、ポーチを持っている人が多いからなのか。
今日も受講会場に入ったら圧倒的に男性の方が多く、悪人だらけであった。
悪人は何故か女子の隣りの席には座らないのである。これまた最初の更新の時からそうなのだが、敢えて女性の隣りの席をはずして座るのだ。今日もほぼ満席状態なのにポツンと私の横の席だけは空いたままだった。
私も隣りに人が座らなくてホっとする。
臭くなくてよい!
今年から運転免許証はICカード免許証に変わったらしく、講習ではICカードの説明があった。そう言えば最初の手続きに暗証番号登録というのが今回あったが、ICカードになったからだったのだ。
「では、番号をお呼びした方から新しい免許証を受け取ってお帰りになって下さい」
受講室からこうして人が一人抜け、二人抜け・・。
”私の番号だわ”
悪人さん達、さようなら。
新しい免許証を受け取って写真を見てみたら・・、
うげげ。
そこには悪人顔の私が写っていた。
前回、前々回と車いすで府中の更新センターに連れて行ってもらった時に、「おっ、だいぶ元気になったな」と、初老の教官が声をかけてくれ、自分のことを覚えてくれていたのが嬉しかった。
もう退職なさっているだろう。
やっぱりもう一回府中まで行けばよかったかな・・・。直前まで迷ったが、府中まで一人で行くのは厳しいなと思って結局新宿の更新センターにしたのだ。
都庁を後にしながら、あの初老の教官のマンツーマンの講習のことをまた思い出した。
先生、あの節はどうもありがとうございました。
今日は外は冷たい雨がポツポツと降っていた。
あれから私、もっと元気になりましたよ。
ヨボヨボで、見た目あきらかに運転など出来そうもない私に、あの初老の教官は、”頑張れよ”という心を送ってくれた。
あの場でちゃんと感じていた。
優しい心を。
あなたのことを忘れません。
講習に行って自分のことを覚えていてくれる人なんて、もういない。
今日、こうしてこんな気持ちでいることを、伝えられたらいいのにな・・。副都心のふもとを一人歩きながら胸がきゅんとしたのだった。
はじめまして。ろんと申します。
最近どこかからリンクを辿ってやってきました。
今後ともよろしくお願いします。
男性が悪人に見える…件ですが、おそらく慣れない場所と
いうこともあって、“警戒”しているからだと思います。
日頃はポーチなんかも持たないだろうから、持ち慣れて
いないというのもあるのかもしれませんし…。
…という僕も挙動不審で悪人に見えてしまうかも(苦笑)
自分のことを覚えていてくれるなんて、ほんと嬉しい
ですね。きっとその人も思い出してくれると思いますよ。
ろんさん、はじめまして!男性ならではの面白いご意見ですねー^^そうか・・・慣れない場所ですもんね。そういえば、顔・・・びみょーに引きつってました。みなさん^^そしてそういう私も免許の写真が・・こわ〜い顔してました><