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投稿日:2009年12月05日

2009年12月05日

「散歩の達人」という雑誌がある。
<大人のための首都圏散策マガジン>というサブタイトルがついていて、東京のあちこちの街を取り上げている雑誌で、私も大好きな雑誌の一つなのだ。街ブラの雑誌というのは女性が手にしやすいタイプのものがほとんどの中、この散歩の達人は路地裏の昔ながらの焼き鳥屋さんやちょっとマニアックな看板が収められていたり、”お洒落な”作りではなく、独特の目線でその街を捉えている。ゴツっとしたリアルな読後感が得られるので、男女問わずこの雑誌のファンは多い。
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その「散歩の達人」12月号のイラストが、元ご近所さんで今も仲良くさせていただいているモリナガ・ヨウさんなのだ。前の家では、いつも家にいる様子のこのモリナガさんが何をやっている人なのか、すご〜く気になっていた。家のそばで会うと大抵モリナガさんは作業エプロンをしている。そしてたまに二人連れでお勤めをしている風の人が家を訪ねていた。今思えば、訪ねて来る人達は出版社の人達だったのだが、当時は謎の仕事人として、興味津々なヒトだったのだ。
モリナガ・ヨウさんの絵は、私が子供の頃に繰り返し眺めてボロボロにした絵本辞典の中にある「いえ」のページを思い出す。「いえ」のページには、数軒の家が描かれていて、その中で人が暮らしている様子が描かれているページだった。子供部屋には子供が勉強をしている。お母さんは洗い物をしている。ここにはピアノが置いてあって、女の子が練習をしていたりと、隅から隅までどこを眺めてもワクワクさせられる魅力があった。
今号の散歩の達人は「銀座」がテーマになっていて、表紙のイラストは昭和30年代の銀座の景色が描かれている。路面電車が走り、百貨店があり、だがまだそれほど高いビルが建っていない頃の銀座だ。
昔の銀座ってこんな感じだったのかぁ。
モリナガさんのイラストはやっぱりワクワクする。
銀座は普段、私はどこをどう歩いていいかわからない街だ。高級店が並んでいるし、馴染みの店もなくちょっと敷居の高い印象のまま、少なくとも私にとっては吉祥寺の方がうんと楽しい。だけど、散歩の達人の銀座を知れば「行ってみたいな」という気にさせてくれる。
今一番お勧めの本なのだ。