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投稿日:2012年10月04日

2012年10月04日

原付をメンテナンスに出して待ち時間があったので、ちひろ美術館を訪ねた。
ちひろ美術館を訪れるのは2回目になるが、中に入ると避暑地の別荘なのかしらと思うほど都内の感じがなくなる。中庭の自然な草木の様子がそう感じさせられるのかもしれない。都内には”ここ、なんだか都内っぽくないわ”と感じさせられる場所がいくつかある。森の匂いのする場所や古い田舎家が、意外に身近にあったりするのだがそういう場所が好きなのだ。
いわさきちひろさんの絵に触れたのは中学生ぐらいの頃ではなかっただろうか。
優しくて可愛い絵だなぁと思ったが既にその時には作者のいわさきちひろさんは亡くなられていて、”いわさきさんってうんと年上の人なんだなぁ”と思ったものだった。若い自分が見てちっとも”昔の”感じがしなかった。
ちひろさんの絵は今見ても”昔の”感じがしない。
中学生の頃から年を経て自分の中の「可愛い」や「素敵」のものさしは随分変わったはずなのに、当時感じた「素敵」が同じ強さで今も感動を与えてくれる。
平日の午後なのに来館者は多く、私より年配と思われる女性が一人もしくはお友達とやって来ては作品を眺めていた。当時中学生だった私がまぶしく見ていた女子大生だったのかなぁ。きっとそんな年齢差だろう。
趣味も変わって考え方も変わって、だけど昔の自分と同じ感性をつなぐいわさきちひろ作品。美術館で出会った「元少女達」も同じ感じがしたかなぁ。
ちひろっていい名前だ。
亡くなってこんなに経つのに作品も名前も古い感じがしない。
いわさきちひろ美術館は、これからも”古き良き時代”という言葉が似合わない場所なのだと私は思うのだった。