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投稿日:2014年09月26日

2014年09月26日

家に帰って鞄を開けたら携帯が入っていなかった。

車の中に落としてきたんだわ。

駐車場まで歩いて1分程度。面倒臭いなぁと思いながらダンボを連れて車まで行く。

大抵は座席の下に落ちているのだ。

運転席か、助手席か。

だが今日は探してもなかった。後部座席の足元もかなり手をガサガサしたが見つからない。

「ということは、やっぱり鞄の中かぁ」

と、家に戻る。

家の中に入ってもう一度鞄の中を探してみる。

ない。

無意識に出して充電したのかしら?

ない。

無意識に机の辺りに置いたのかしら。

ない。

「やっぱり車ん中だわ」

そこでもう一度ダンボを連れて駐車場に向かったのだった。

<何しに行くんだよぉお〜>

と、ダンボはやや反抗的にイヤイヤついて来る。

ダンボを助手席に乗せて本格的に探すことにした。車のドアポケットに入り込んでいないかしら。後部座席の機材に紛れていないかしら。譜面を入れたバッグに入っているんじゃないかしら。いや、座席の下をもう一度くまなく探すのが一番だわ。

這いつくばって探す私を冷ややかに見下ろしている犬。

ちょっとね。携帯をね。探していてね。

しばらく粘ったがなし。

そうだ。家に帰って鞄から本棚に置いた譜面のクリアファイルに紛れて入ったんだわ。あの中を見ていなかった。

だが、ダンボと家に帰りながらなんだか侘しくなってきた。だって先月までは家にIP電話を引いていたのだ。でもあまりに使うことがないからといって解約したのだが、そういえば携帯をなくした時に家の電話から掛けて携帯を探していたんだった。

もう、それさえ出来ないというのね。

家に帰ってまたもう一度探したが、それでも携帯は見つからなかった。

急に悲しくなってきた。

携帯がないだけで急にひとりぼっちの感じがしてきた。

どこにあるの。私の携帯。

シ〜〜〜ン。

静まり返った部屋で。私はすごく不幸な気分でいっぱいになったのだった。

しかし。

いつまでも体育座りをしていじけていたって誰もこの状況を打破出来ないのである。ずっと無人島にいるわけにいかんのである。

そうだ。facebook!

キーボードの牧野麗ちゃんが立ち上げてくれたB#メンバーのグループメールに、携帯をなくしたので誰か私に電話をかけて〜〜!と書く。お〜〜い。誰か〜〜〜。見ておくれ〜〜〜〜。

すると。

麗ちゃん登場!返事をくれた。

早速家にあるかどうか。電話を掛けてもらう。

し〜〜〜〜〜ん。

家にはない!

「ごめん、今から一分後にまた電話してもらえる?駐車場に行くから」と、頼んだら今度は家の鍵がないことに気づいた。

かぎ、かぎ、かぎ、かぎ。

どこ?

と慌てていたら机の上にあったお菓子の袋がやぶれて床に散乱する。

んもう!こんな時に!

鍵はしばらく探して見つかった。

「ごめん、今から一分後によろしく!!」

と、頼んで駐車場に行って車の中で座っていると・・・。

<ブー、ブー、ブー>

携帯の音がする!!

さんざん探したはずの助手席の座席の下にちょっと変わった角度で携帯が引っかかっていたのだった。

麗ちゃんと電話で話す。

電話で人と話せるのがこんなに素晴らしいことだったとは!

帰り道、ものすごくハッピーな気分になった。

こんなに幸せな気分が得られるのもめずらしい。

ええのんだろうか。ほんまに、こんなんで。

さっき、めっちゃ私は女々しかった。

ほとんど泣きそうになっておった。

あかんやろ。

私達は携帯に支配されている日々を送っている。

携帯がないと不幸な気分になるほど依存しているのである。