本日、京都拾得にて「吉川みき with friends special session」。昔からの音楽仲間10人に参加をしてもらってのライブをした。
拾得は蔵を使ったライブハウス。京都の大学に通い始めて知ったいかにも京都のライブハウスらしい小屋で、「ライブハウスってどうしたら出られるの?」と憧れるようになったライブハウスがここ、拾得だった。
ある日、勇気を出してお店を訪ねた。店主のテリーさんに「どうやったら出させてもらえるんですか」と尋ねたら、デモテープを持って来て下さいといきなりの訪問にもかかわらず、ちゃんと対応してもらえた。もしあの時ぞんざいな対応をされていたらギリギリの勇気は打ち砕かれてまたその後の私自身の道も変わっていたかもしれない。
そうしてデモテープを作り、テリーさんに聞いてもらい、私は念願のライブハウスデビューを果たしたのだった。
あれが原点。そしてそれから本当に沢山の出会いに恵まれて今日も音楽を続けられている私がいる。数年ぐらい前から、拾得でライブがしたいなと思っていたが今年は黒川あっちゃんとの2マンライブと、そして今日のwith friendsのライブの私にとってやりたかった京都でのライブが実現するので、とても楽しみにしていたのだった。
頻繁に会わなくても、またこうして再会をして「今」を共有し合える喜び。今の年齢だからこそ感慨深く大事に思えたりもするだろう。そして、血がつながっているわけでもないこの友人達がとても身近で大事な人だったんだということに気づいたりもする。ご縁がある人ってきっといるんだなぁと最近はよく思う。顔見知りになることも、すれ違うこともなく同じ時を生きながら出会わない人の多さに比べて、どこかで出会い、何かしらの思い出を持ち、ぽつりぽつりと人生のどこかしらで再会をしながら関わって過ごす人がみんな誰しも居るのだ。
出会った場所や時期が少しずつ違えど、今日のこの会場は出演者、お客さん、スタッフ関係者みんなが、何かしらで繋がっている。それもあったかい何かで繋がっている。
拾得に入るといつも蔵独特のひんやりした空気をまず最初に感じていた。
白熱灯の明かりがあったかく、ずっと前に店内に張ってあった幽霊の掛け軸はなくなっていた。「電気ブランあります」の張り紙もなくなっていたけれど、変わらない拾得の店内で、ライブを終えたあとも今と昔が行き来するそんな時間だった。