海の日。
3歳以降のことは記憶に残っていたりするのに、海に関する記憶は小学校3〜4年の頃、遠足で須磨の水族館に行ったということが自分の記憶している一番古い海の思い出なのだ。
そんなに海デビューは遅かったのだろうか。
確かめたくても聞ける相手がいない。
遠足でバスに乗って神戸まで行った。
高速道路から遠くにクレーンが見えて、建物のはるかむこう、海が見えた。
広くて視野が遠くて晴れた天気に少しかすみがかかり、かげろうも見えていた。車窓から眺めた景色は初めての景色だった。
少し距離を置いた、ぐらいの海が好きだったのかもしれない。
友達数人で行く海はひたすら楽しかったし、今となれば”もう少しハメを外しちゃってもよかったかな”と思うくらい。かと思えば、夏が過ぎたばかりの静かな海もそれはそれで絵画を眺めているような癒される気分になっていく。
とかなんとか言いながら、今年も私は海の日に海に行かなかった。
ただ思い出の「海」達が、時を重ねるごとにいい思い出に変わってゆく。