今日は神経内科の外来日。
主治医の診察曜日が違うので、2日続けて病院に来る日があって今月は昨日に続いて今日も診察に来たのだ。
神経内科は結構待ち時間が長い。最近は診察券を入れたら「何番目」の診察なのかがわかる機械が設置されて、おおよその目安はわかるようになったが、それでも次の次ぐらいの順番に居ながら30分以上待つなんてことはめずらしくない。
待つのに慣れているので、外来日の待ち時間はあきらめてぼんやりテレビを見ているか、目をつぶっているか、ゲームをしているかのいずれかで時間をつぶしている。
斜め前のおばあちゃん二人はおしゃべりをしている。家庭内の込み入った話をしているので家族なのかなと思っていたら、たまたま待ち合いの席で隣りになっただけということを会話から知る。初対面同士そこまで深い話が出来るのもめずらしい。
<私の順番、まだかなぁ>
ふと視界のはじに動く物が入ったので目をやったら、80代ぐらいのおばあさんが待ち合いの椅子に座ったまま足をブラブラさせていた。
子供がよくする”足のブラブラ”だ。
品の良さそうな雰囲気の老女なのだが、唯一足だけをブラブラさせていて、大人でそんなことをしている人を見ることがなかったので、ヤケに気になってチラチラ見てしまうのだった。
きっと、あのおばあちゃんも”まだかなぁ。”と思っているのだ。もしかしたら無意識でやっていたのかもしれないが、私も気持ちはわかる。私だって足をブラブラさせたい。
まだかなぁ。
まだかなぁ。
待合室の人間で待ち切れなくなってきたら足をブラブラさせるというのは、目を閉じて待つより、テレビを眺めて待つより、ゲームをして待つより、気分転換になりそうだ。
おばあちゃん、お先に。
先に名前を呼ばれたので、席を立った。
おばあちゃんの足は、待ちぼうけの足のまま「バイバイ」と手を振るように揺れていたのであった。