バス停の前を通ったら、バスを待つ人達全員がバスのやって来る方向を向いていた。
そういえば私もバス待ちをしている時、バスのやって来る方向をじぃ〜〜っと見つめているんだった。
時刻表ではまだもう少し時間があるというのに、それでもじぃ〜〜〜っと遠くを見つめている。
かげろうの向こうにバスの姿を見つけたら、その一瞬ものすごい幸せを感じている。
バスを待つ間、人はとっても健気なのである。
飼い主さんがスーパーの中に消えて行き、外で繋がれている待っているワンコと同じぐらい健気なのである。
ミーアキャットのように。
幸せを待っているバス待ちの時間。
「来た!」
多分日常生活の中でも特別幸せを感じる瞬間。
バスがやって来るのを見つけた時、私達はいつも”救いの神”を見つけた気になるのである。