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投稿日:2007年06月02日

2007年06月02日

奥歯が痛むので、また歯医者さんに通っているのだ。
先生の前で鏡と歯ブラシを持ち、いつもどうやって磨いているのかを見てもらうと、「力が強すぎる」ということだった。歯磨き指導を受けながら、この年になって駒なし自転車に乗る練習を見てもらっている感じがしてくる。
「歯ブラシをもうちょっと縦にして・・」
「あ、それじゃぁまだ強い」
「はい、もう一度ー」
頭では理解していても、なかなか上手く行かないのだ。
そうか、私の家にある歯ブラシは買ってもすぐにブラシの先が外に開いてダメになっている。力が強いからブラシがつぶれちゃうのか・・。
「はい、もっと力を抜いてー」
「もっと、もっとです」
「はい、それぐらい!」
「ふぇ?これでいーんでふか?」
OKを貰った時の力の入れ具合いは、いつも家でやっている力の10分の1程度、柄の部分は「握る」のでなく「持つ」のもっと弱い力、「触れるようにして持つ」のが正しい歯ブラシの持ち方であるのだと、今日初めて知ったのだ。
歴代の私の歯ブラシさん達よ、一体何本になるのかその数がちょっと想像が出来ないが、すまなかった。
先生は気さくな人だ。治療をしながら、世間話や共通の知人の話をされる。
「で、最近は@@に行ってる?」
「い、いいへ」
「@@さんには、最近会った?」
「ふ、ふぁい」
ゲホ。
治療中って、上を向いて口をあけているので、返事をしたいのだが、しゃべるのが難しい。しゃべれないので、返事はこういう時はしなくていいものなのか、やっぱり何か答えた方がいいのかと口を開けながら考えているのだ。
「@@さんは、元気かなぁ」
「・・・・」
やはり、”上向き口開け”の時は、「はい」と「いいえ」が限界なのだ。「さぁ、私も最近会ってないんですよー」は高度過ぎて言えないのであった。
治療、終了。
「この歯ブラシを一度使ってみてください」
「はい」
診察が終わって診察券を貰うと、いつも私の心が「逃げろ!」と号令をかける。
今日の治療は、痛い”ウィーン”も注射もなかった。
が・・・・。
現在、青梅街道を歯ブラシを持った女が原付でただいま逃走中。
”誰も追い掛けてこないってば”
それでも今日も逃げるようにして帰る歯医者さんなのであった。