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投稿日:2007年06月24日

2007年06月24日

デジカメを買いに行った。
店内に入るとカメラがわんさか並んでいて、ここはお客さんもわんさか居る。一人で来ている人がもっと多いのかと思っていたが、デートで来ている人も多いみたいで、彼氏が彼女のデジカメを選んであげる風の二人連れが結構居るのだ。
昨夜の時点で「コレかコレかコレ」の所まで絞っていたが、取り合えずブラっと見てみる。
「お勧め!」や「当店売れ筋ランキング!」のポップが派手に張ってあって、機能がちょこっと記してあるが、それ自体あまりよくわからないのだ。
「何かお探しですか」
と、店員さんが声を掛けてくれた。
<おぉ、店員さん。声を掛けて下さってありがとうございます。>
店内ナンパを待っておったのだ。
<私は今日はデジカメを買いに来ました>
<だから売りつけて下さい>
最初に私に声を掛けてくれたこのヒトに売りつけてもらおう。そこでこの店員さんと話をすることにし、昨日だいたい候補にした3つ位の機種から選んでもらおうと思ったのだった。
昨日、無い”メカ知恵”を絞って選んだのは、いずれも2007年春以降に発売された新作だった。なんとなく書いてあることが素晴らしいような感じだったので、最新のを買えば間違いないだろうと思っていたのだが・・・・。
店員さんが「コレが絶対お勧めですね」と指したものは、そのいずれのものでもなかった。
店員さんが言うには、新作よりも新作ではないのに今も売れているものが信頼出来るということで、勧められたのはリコーのcaplioR6というデジカメだった。
「例えばどんな物をよく撮りますか?」
「花が多いです」
「だったらコレです!」
ものすごく近い距離でもクリアに写るんですよと言って、店員さんは自分の腕時計を実際に撮って見せてくれた。なるほど、1センチ位の距離まで来ても綺麗にピントが合っている。
「す、すごいですね」
「他にはどんなものを撮られますか」
次はスタジオやライブなどで写真を撮ることが多い。
「少し明かりの少ない所で撮ると思います」
「なら、コレです!」
と、先ほどの機種を目の前に再度出された。
「あとは手ブレしないものがいいです」
「なーら、絶対コレです!」
店員さんとの会話は3分弱。
「ではこれにします」
結局、昨日の候補に全く挙がっていない物を買っていたのだった。
電化製品と楽器は、私は催眠術にかかったかのように店員さんの言うとおりに「はい」と答えて「それにします」と言うクセがついている。こういうものはリボ払いで買うので、八百屋さんでほうれんそうが50円高いだけで「今日はほうれんそうはやめておこう」と思う金銭感覚とちょっとズレる。
「コレにします」と言ったら急に店員さんは冷たくなって、納品書みたいなものを私に渡し、「じゃ、これを持ってレジに行って下さいねー」とだけ言って、すぐ去って行ったのであった。
「え!これでさよなら?」
ナンパされた後で遊ばれてすぐに捨てられた女子ってこんな気分なんではないだろうか。
フン。
あんたが思う程軽い女じゃないわよ!
心を開いてあなたについて行ったのに・・・。
途中で火種がボトっと落ちてあっけなく終わった花火のような二人の関係であった。
しゃーない。
あなたとの間に出来た子は、私が一人で育てるわ。
そうしてレジに行った。
昨日、デジカメを失ったことで相当自己嫌悪に陥っていたが、それから24時間も経たない今日新しいデジカメを手に入れた。
女は強いのである。