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投稿日:2008年07月16日

2008年07月16日

少し前、家の近くですごい女の人とすれ違った。
女性は恐らく3人の子供の母親で、自転車の前と後ろに小さい子供を一人ずつ乗せ、そして一番幼い子を背中におんぶした状態で自転車を漕いで行ったのだった。
屈強なタイプでもない普通体型の30代ぐらいの女性だった。
警察に見つかったら違反として止められるだろう。
だが、その姿を見た時の私は思わず釘付けになった。そしてお母さんはすごい人だなぁと、なんだか妙に感動をしたのだった。
そもそも、自転車の2人乗りが禁止なのは「危険」だからだ。女性がそんなことを知らないわけがなく。3人の子供を連れて自転車に乗る時には、違反であることも危険であることも承知の上で、だが「何か」との比較をした結果こちらの方がいいと判断をしたのではないだろうか。
小さな決心をしてよいしょと自転車で家を出たのだろう。曲芸チックな自転車を目撃した時、「まぁ、何て危ないことをする母親かしら」という風には感じなかった。「私がこの子達を守ります」という神々しさをこの女性は放っていたのだった。
電動自転車が現れたのは、坂の多い所で暮らしている人達にとって画期的な出来事だったと思う。
そして今年3月、車いすメーカーが子供2人を乗せて走れる自転車「かるがも」を開発し、それがまもなく発売されるそうなのだ。値段は7万円前後と電動自転車と同じぐらいなので、これは普及するかもしれない。
<お母さんと一緒に自転車で出られて嬉しかった。>
あの日見た3人の子供達は、お母さんの愛の大きさをまだ知らない。
私はその女性に心打たれた。
ある日の夕方のことだった。