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投稿日:2010年04月28日

2010年04月28日

電車を降りて改札に向かって歩いていたら、前方に自分の持っている服と同じ洋服の女性を見かけた。
少し前にも、同じことがあったのだ。思い起こせば「同じ服」はいずれも沿線のデパートで買ったもの。近いエリアに住んでいれば買い物のエリアも似たものになるだろうし、それに店頭には数着品物が置いてあるわけなので、同じ洋服を着ている人に会ったって別におかしくはないのだ。
だが同じ服の人を見ると、嬉しいというより残念な気分になる。何故なんだろう。<もう、あの服着れなくなっちゃったわ>少なくともこの沿線に乗る時には着るのは控えようという気持ちが芽生えている。そして今日はあの服を着ていなくてよかったわと、不幸中の幸いのような思いにかられるのであった。
いいじゃない。
走って行って、ポンと肩を叩いて「はじめまして!私同じ服を持ってるんですよ〜。好みが似てるかもしれませんね」と言ったって。自分の同じような嗜好の人に会えるだなんて、友達になったらうんとツーカーの仲の大親友になれるかもしれないではないか。
しかし・・・・・、
恐らくそうしたところで相手の女性は引くのだろう。
方や、店では店員さんに「私もおそろいのを持ってるんですよぉ〜」と品物を勧められる。店の中では同じ服は親しみがあり、「店員さんが着ていて可愛かった」から同じのを買う人だって居る。なのに、地下鉄で隣に座った女性が同じのを着ていたらぎょ!っとする。その隣に座った女性はいつか店で見た店員さんなのかもしれないのだが、知らない人とのお揃いはなんか気まずいという不思議な心理が働く。
同じ服の女性は、私の視線に気づかずに去って行った。
そして。もしかしたらそのまた後ろで、今日着ている私の服を見て「あら、やだ」と思っていたかもしれない。
「オークションで安くゲットしたわ〜」と、着てきた洋服を見て「あら、これ私が売った服じゃない?」と、驚いている人が立っているかもしれない電車の中なのである。