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投稿日:2011年09月09日

2011年09月09日

斜め前の家の前の道にヘビが居るのを見つけた。
ヘ、ヘ、ヘビ!?
ヤモリを見かける年はあった。玄関のドアにペタっとひっついていて、ヤモリとしては「や、やばいっ」と、慌ててクネクネしながら逃げて行くのだが、私だってうんと怖かった。
それが今度はヘビ・・・。
実家ののどかな住宅地でもヘビは見たことがなかった。
どうしてこんな所に?
普段サスペンス映画を観ている時、何か物音がしすると主人公がドキドキしながらも、その危険な方へ行くシーンで私はいつも”なんで、わざわざそっちに行くのか!”と、イライラしていたが、今の私は全く同じ行動を取ろうとしている。
ヘビかもしれないあの物体がヘビかどうかが確かめたいのだ。
確かめてそれでどうなるわけでもないが、確認がしたい。
そうして私は玄関の鍵を開けて恐る恐るヘビの居る辺りに行ってみたのだった。
オーマイガ。
それはヘビだった。棒切れだと思いたかったが若干曲線を描いている間違いなくヘビだった。
誰か!誰か居ませんか!
しばらく「へび!」「へびがいる!」と少し大きな声で口にしてみたが、人の気配なし。のどかな晴れたお昼時で何のリアクションもなかった。
一人でヘビを見つけてしまったという恐怖と、私が見つけたんだからせめて自分に出来る範囲でなんとかしないと・・・という思いにかられ・・・。
思いついたのはヘビを写真に撮るということだった。
写真に撮ってどうするのだ。
そして家に携帯を取りに帰り、そして写真を撮ってみた。
しかし、それで何になるのだろう。特に何になるわけでもない。しかも怖くて近寄れないので写真に撮るとただの棒切れに見えるではないか。
次にツィッターでつぶやく。その後毒ヘビかどうかをネットで調べてみる。毒はなさそう、アオダイショウというのに近い気がする。
ヘビが出たら、例えば他の人だったらどうするんだろう。ご近所さんが噛まれたら大変など、妙に第一発見者としては責任感が沸いて来るのだが、ちっとも冷静になれずに家の中からヘビを見つめていたのだった。
しかし、ものごとはゆっくり過ぎて行く。
ヘビはにゅるにゅると方向を変えて、そうしてやがて斜め前の家の敷地へと消えて行った。
あぁっ。もうどうしたらいいかわからない。
と、頭が混乱してきたところに斜め前の家のもう一つ奥の家のおじさんが昼ご飯を食べに帰ってきた。玄関を出ておじさんに声をかける。
「あの、この変にヘビが居たんで・・お気をつけ下さいね」
「あっ、そう!」
別に怖がっている風もなく、まるでこんにちはと挨拶をかわした程度の会話で終わる。
すぐに今度は斜め前の家のおじさんが、お昼を食べに帰ってきた。
「あの!ここにさっきこれぐらいのヘビが居たんです・・・」
「あっ、そ!」
二人共、ヘビより今日の昼ご飯のことの方が気になるのか、全く動じない様子だった。
私の見間違えだったのかしら。
ここには何もなかった。
そう、何もなかったの。
だから怖くはないわ。
パニック映画でいけば、このあとしばらく街は平穏だったがそのあとあのヘビは巨大化して私達人間を「シャー!」と言って喰ってしまうのである。最初は多分、「あ!そう?」と言ったおじさんが、夜の散歩に出掛ける時に殺られるのであろう。そしてこの町内のみんなが喰われていき・・・・そしてヘビ地帯となったこのエリアは巣となり、巨大ヘビが何匹も生まれて杉並区はエラいことになってしまうのである。
どうしよう。どうしたらいいの。
さっきつぶやいた自分のツィッターに対して「ヘビを見たら幸運の印ですよ」というお返事がいっぱい届いていた。
そうなんですか。
だったら・・・。
いっそ・・・・。
ヘビをモチーフにしたパニック小説でも書いてみようかなと思ったのであった。