家の前の道は袋小路になっているので、この辺のどこかの家に用事のある人しか前を通ることはない。
知らない人がやって来るのはチラシをポストに入れていく人ぐらいだ。
チラシを入れていく人の中には家をジロジロと眺めている人も居る。
意外に部屋の中から私が見ているということには気づいていないので、誰もいないことを前提に振る舞う人は多い。
今日は斜め前の家に袈裟を着たお坊さんがやってきた。
<コンコン>
何度か家をノックしているが家人は出て来ない。
家の前に自転車がとまっているので、私も留守だとは思わなかったのだが、どこかにお出かけなのかしら。
なんてことを思っていると、このお坊さん、何を思ったのか勝手にそこの家のポストを開けて中を見ているではないか。
勝手に開けてる!
何の為に!
それから少し首をかしげてから去っていった。
しかし、もし私が知人宅を訪ねたとして、そこが留守だと思ったらポストを開けてみるだろうか。
誰なの、あんた。
袈裟を着ているが本当に坊様なのか。
こんな風に私はよく部屋の外に人が見えるとチェックをしている。
私も家の中からジロジロと見ているキモいヒトなのである。