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投稿日:2013年07月18日

2013年07月18日

長年の先輩である岡崎司さんのソロライブに行った。

ギタリストであり、作曲編曲プロデュースと多くの顔を持つ岡崎さん。20代の頃からいろいろ音楽の話を聞かせてもらったり、相談に乗ってもらったりしているが、演奏だけでなく多方面から作品を見る視点が長年に渡って勉強になるお話ばかりで、気づけばもう長いことお世話になっている。

今日はソロライブ。

今年は初めて岡崎さんがライブステージに立ってから30年の記念の年なのだそうで、この日のライブの為の書き下ろし曲から学生時代の思い入れのある曲だったり、うんと昔に作った曲などの披露というタイムトリップ的な要素のたくさんある前半ステージだった。

当時の京都の大学生で曲を作る人は、そんなに多くなかった。学生時代の岡崎さんを私は知らないのだが、その頃から作編曲を既にされていたのだと思う。学生の頃にもし岡崎さんが魅力的なボーカリストと出会っていたら、きっとその後の道はまた今とは違っていたかもしれない。いい出会いがなかったことでインストというスタイルで最初は活動されていたとのことだった。

ライブ後半になって、劇団新感線でも大活躍の「冠くん」がボーカリストとして登場した。

とても存在感のあるボーカリストがステージに立つと、ボーカリストに目が行ってバンド自体が黒子になると感じることが多いのだが、強力な歌力と個性を持った「冠くん」がステージに上がると、岡崎さんのギターがソロタイムとはまた違ったパワーを放ち出したのだ。

サポートに徹するわけでもない。ボーカルを霞ませるわけでもない。ものすごく濃い個性でセンターに人が立つことによって、対等にその横で別の光を放つ芯の強いパワーというのが、私自身も音楽を続けてきて理想に挙げていたことだったので、それを感じてすごいと思わずにいられなかった。

演奏家であり、物を作る人なんだとあらためて思った。またそういう人が演奏をするものに、奏でる音の奥行きみたいなものを感じて心が動かされるのだなとも思った。

一言で「演奏」は「演奏」という言葉にざっくり括ることが出来てしまえるけれど、細かい色分けみたいなものが自分にはあって、そこで一リスナーとして、あるいは一音楽家としてそれに触れた時に尊敬をしたり心が響かなかったりしている。

同じ感動を出来た人が居たら嬉しい。

細かい細かい色分けの部分での、ものすごく琴線に触れるライブだった。