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投稿日:2007年10月12日

2007年10月12日

相変わらずめまいが治らない。平衡感覚がおかしいので駅前の耳鼻科に行った。
ここは地元の人が通う「近所のお医者さん」。午後の診察時間が始まる頃には、既に待ち合い室に数人が座って待っていた。
待ち合い室は静かだが、中は何か忙しい様子。
どうやら先生は探しものをしているようで、大きな声が聞こえてくる。声から察すると、年輩の先生だろう。大雑把そうな話し声が待ち合い室にも響いていたのだ。
何をなくしちゃったの、先生。
結局、なくしものは見つからなかったようで、先生もあきらめたのかようやく午後の診察が始まった。
「どうしました!」
大きな声の先生は、60代と思われる。怖い感じはしない。貧乏ゆすりをしているので、落ち着きのない印象を受ける。
症状を伝えると耳を診て、それから目の動きを診ると、「じゃ、聴力検査に行ってきて!」と、先生は言った。
「どうぞ、こちらです」
看護士さんが呼ぶ方へ行く。
古い医院なので”行って来て”ということは、近くに別のそういう施設があるのかなと思っていたら、案内されたのは2畳程の物置部屋みたいな所だった。
荷物置き場兼聴力検査室。
まぁ別に荷物が沢山あっても構わないのだが、問題はヘッドフォンを被っても診察室の音や人の足音がヤケに聞こえるという所だったのだ。
「ヘッドフォンから音が聞こえてきたら、ブザーを押して下さいね」
ブザーを渡され、耳を澄ます。
「おーい、アレ持ってきてくれー」
パタパタパタ・・・
「そこに置いておいて」
「はーい」
ガチャガチャガッチャーン。
それらをかきわけて、かすかに小さくピーと鳴る音を探す。外の音の方が断然大きいので、宝探しのような聴力検査なのだ。
静かにしてくれないと、聞こえない。
必死で集中して音を聞く。
先生、ちょっと黙っててよと言いたくなったのだ。
「うむ、聴力は問題なし!」
先生に言われたが、かなり高度な聴力検査をクリアしたと思うので、「問題なし」というより「かなり良い」という判定をもらいたかったのだ。
「じゃ、一応めまいの薬を出しておこう」
「はい、終わり!」
めまぐるしい診察だった。
医院の外に出たら、めまいがしたのだった。