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投稿日:2008年02月23日

2008年02月23日

ウチの辺りには「イッツ・ア・スモール・ワールド」を鳴らしながら過ぎていく移動販売車と「北風小僧のかんたろう」を鳴らしながら過ぎていく移動販売車がやって来る。多分、灯油の販売車なのだと思うがその姿を見たことはなかったのだった。
こういう移動販売の車がメロディを鳴らしてやって来ると、不思議なことに一瞬にして私の頭ん中は、その移動販売車に支配されるのだ。
洗濯物を取り込みながら、「トゥルルールールー、ルルルールール」が、頭の中に広がる。録音作業中もそう、文章を書いていてもそう、何をしても一度耳に入って来たら、その音が聞こえなくなるまで耳が追って確認をしているので、その間の私は移動販売車の音楽を聴いく以外何もしていないのであった。
「イッツ・ア・スモール・ワールド」は、まだそれでも主張は少ない。問題は「北風小僧のかんたろう」の方なのだ。
「きったかぜ〜、小僧のかーんたろう〜」と歌付きで流れているので、「かーんたろう〜」というくだりが聞こえて来ると、「かんたろ〜!」の後追いの部分を一緒に頭の中の私が歌ってしまうのだった。
いわゆるリピート・アフター・ミー形式の歌。
「かんたろ〜」は不意に私の部屋にやってきては占拠して、丁度私がノって来た頃に去って行く。
灯油が必要なくなる頃まで、かんたろ〜は北風に乗って不定期にやって来る。
東京は、今日春一番が吹いた。
春一番が吹く日は、私はいつもその時には「今日はやけに風が強い日だなぁ」と思うだけで、それが春一番であるかもしれないことについては、気付かない。
かんたろうがやって来るのも、あと数える位になるかもしれないなぁ。
春はすぐそこに。
今年も準備が出来たよ。
もうすぐ会いに行くから、待っていてねと。
冷たい風が吹いて行ったけれど、
そう言えば今日、お天気は柔らかく笑っていた。