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投稿日:2011年05月18日

2011年05月18日

今日は旅もいよいよ終盤、フランスを出国する日なのだ。
午後2時25分発のTGVに乗ってエクスアンプロバンスから空港に向かい、6時過ぎに空港に着いてから20時の飛行機で日本に発つので、今日は観光はなく移動だけで一日がかりになる。
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11時にホテルをチェックアウトして、まずはタクシーで駅に向かう。14時台の列車なんだから早すぎるかなとは思ったが、駅に着いてからブラブラして過ごせばいいかと思ったら、TGVのプロバンス駅は駅しかない何にもない所だった。
まぁ、遅れるよりいいか。
待ち合いの椅子に座って時間をつぶすことにした。
ここまでの旅は危なっかしいながらもなんとか大きなトラブルにならずに済んできた。後は無事に空港に到着をして帰りの飛行機に乗るだけ。いつも詰めが甘い私なので、ここで「頑張ろう!」とあらためて自分自身に言い聞かせる。
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列車の中や駅構内では割とワンちゃんを見かけた。こちらではケージに入れることなく、リードで散歩をするのと同じ状態で犬を連れていられるので、臆することなく犬がトコトコ歩いていたりする。日本でもどこでも、私は外で犬を見るとダンボのことを思い出す。ダンボに会いたいなぁ。もうすぐ会えるよ、ダンボ。なんてことを思いながら電車のチケットを何度も確認して眺める。
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2時近くになってようやく私が乗る前後の列車が電光掲示板に表示され始めたので、確認に行った。まさかこんなに早く駅に着いて乗り遅れたりしたら本当に自分のことがイヤになる。そんな失敗はしないぞ。ここはしっかり行こう。
だが・・・・、電光掲示板に表示された自分の乗る列車の情報がちょっとおかしい。
時刻はチケット通りなのだが列車番号がチケットにある「5019」ではない。こういう場合はどうしたらいいんだろう。列車情報を更に細かく見てみると、14時25分発のTGVは8両編成でやって来るとある。ホワイ、何故?私の席は16号車、それじゃあ私はどうしたらいいのでしょう。
よくわからないので取りあえずホームで電車待ちをしていたペネロペクルス風美女に尋ねてみたら、親切に一緒に駅員さんのところに尋ねに行ってくれた。結局駅員さんが言うには、どこの号車でもいいから乗っていいですよということだった。8両編成の電車に16両編成分のお客が乗っても大丈夫なのでしょうか。で、これは別の列車ですがちゃんと空港に行くんでしょうか。
はっきりした答えが得られないうちに14時25分発の列車はやってきて、あんなに早く駅に着いたのに最後は遅刻ギリギリの気分で乗り込んだのだった。
電車に乗ったはいいが落ち着かない。
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だって私の席はないのだ。
本当はあったのに。
ちゃんとお金も払ってあるのに。
席がない。
今座っている席は誰かが乗って来たら立たなくちゃいけない。
そして実際に途中の駅で「僕の席です」という人が現れて何か悪いことでもしたかのように気まずく席を立ち、空いている席を見つけて座ったものの駅に着く度に「この席も追われるかもしれない」と落ち着かないまま過ごしたのであった。
そして移動時間は過ぎて。
パリ・リヨン駅を過ぎたら次が私の降りるシャルル・ドゴール空港。
次だわ。
パリ・リヨン駅を列車が出発すると降りる用意を始めてふと腕時計を見た。
すると。
時刻は18時5分をまわったところではないか。チケットを見直してみた。そこにはシャルル・ドゴール空港到着時刻が18時5分と書いてあった。
外を今列車が出たばかりの駅のホームが流れていく。
待ってーーーー。
私の降りる駅はここだったみたいです。
今、確かにパリ・リヨン駅だったと思ったのに・・・・。
オロオロしながら車内で目が合った乗客に「空港は今の駅でしたか?」と尋ねたら、「次ですよ」と答えてくれた。電車が遅延しただけのことだったのだが、何のアナウンスもないので思わず混乱したのだ。よかった。よかった。私にはまだ帰れるチャンスが戻ってきたってことね。というか、帰れなかったらまずい。
空港駅に着いてそこから私の乗る第一ターミナルまでが少し距離があるという前情報を元に、ひたすら案内板を見ながら第一ターミナルを目指して移動をする。案内通りにエスカレーターに乗ったり下りたり乗ったり下りたりして、気づいたら駅のホームに立っていた。
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そこに電車がやってきた。
何故、電車を下りたのにまた私は電車のホームに私は居るのだ。
ここはどこ。
ここでまたうろたえる。
近くに居た人に、この電車は何なんですかと尋ねたら第一ターミナルに行く電車なのだと教えてくれた。またもや百聞は一見にしかず。空港の第二だか第三ターミナルと第一ターミナルの間は電車が走っていてそれに乗って移動するということを知った。
はふぅ〜っ。ちかれたび。
こんなにギリギリになってなおヒヤヒヤすることにばかり遭っている。もうちょっと旅が終わることで感傷的になるのかと思っていたが、ちゃんと帰れますようにとお祈りばかりしている一日だった。
7時近いのにまだ外は夕日がまぶしく差している。
電車の窓から夕日を眺めながら、あともうちょっとでドタバタだった一人旅も完結するんだなぁと思った。
そしていよいよ帰国の路へ。
飛行機は全日空機。なので機内に入った瞬間日本語が飛び交っていた。後は日本に連れて行ってもらえるだろう。そう思うとホっと安心をした。
楽しい旅だった。
メルシー!オールヴォワール!
ありがと、さよなら。
また来るね。
ようやく寂しいなという気持ちが沸いてきた。
そして定刻の20時、飛行機はまだ明るいパリを後に日本へと飛び立ったのであった。