今月19日公演の、神田蘭さんのレビュー講談「わたしが・棄てた・女」の稽古が始まった。
神田さんの稽古は2月に入ってから始まっていたが、今日は演奏を入れての初めての稽古。演出家の貞岡秀司さんが来られて蘭さんと軽い打ち合わせが始まると、普段音楽畑に浸かっている私にとっては、やっぱり”普段と違う”感じがする。
楽器をセットしたらまず休憩をして、それから一巡目はなんとなく肩ならし的にスタートして、何曲か演奏しつつ手元の音量だったり音色だったりを調整していくのが、普段の流れ。それに慣れているのだが、お二人は「じゃぁ、始めましょうか」という言葉が終わるともういきなり集中力がすごい。立ち上がりの早い状態にしておかないとついていけないぞ・・と早速身が引き締まる思いがした。
今日は作ってきた曲を聴いてもらいつつ、台本の進行に実際に合わせて「ここはこんな感じで」「ここはこういう風に終わって」などと細かい段取りを指導してもらう。蘭さんは既に台本を覚えていて途中で止まることもないので、またまた気が引き締まる。
貞岡さんの仕事は、音楽の立ち位置に置き換えると「プロデューサー」なのだと思う。作品を俯瞰で見てまとめていく作品作りの「頭脳」の部分を担うのがこの「プロデューサー」の役割なのだが、貞岡さんは指示がとてもわかりやすい。理解しやすい言葉にしてもらえるので、初めてだけれども作業が楽しいなと感じた。
稽古が終わるととっても疲れた。割と最近はこの「緊張感」を味わっていなかったせいなのかもしれない。が、同時にやりがいのある作品作りへの参加に充実感も湧いてきた。
明後日はまたスタッフの方が増えた状態での稽古なのだそうだ。
前からやりたかったことに携われるのは嬉しい。
やっぱり作る現場は楽しい。
新しい出会いがまた楽しいと感じたのだった。