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投稿日:2007年02月22日

2007年02月22日

晶くんのライブ。
今日はイベントで、たくさんアーティストが出演する中のトップバッターだ。
私はイベントのトップというのは、あまり好きじゃなかった。その出番に気持ちの照準を合わせるということが、単純に苦手だったからだ。だが晶くんは、まっさらな場所にまず一投目を投げるというトップバッターは結構好きなんだと言う。
トップに出て行くのが好きな人はあまり知らないので、こんな話を聞くのは新鮮だ。
今日は3曲、演奏をする。
会場に着くと、晶くんと「天井が高くて気持ちいいね」と、短い会話をする。私はいつも「お腹が空いた」と言って、晶くんの前で何か食べている。他の出演者がリハーサルをしているのを、私はお弁当を食べながら、晶くんは煙草を吸って、二人無言で眺めるといういつもの「入り」の風景だ。
お客さんと近い距離というのもいいが、広い場所も私は好きだ。声がスーッと、遠くまでのびやかに飛んで行くというイメージがある。晶くんは場所が大きくなっても委縮しないという安心感があるので、私もいつもと違ったスペースは「楽しみ」になる。
そして今日はもう一つ、今回のイベントの出演者の名前を見て<もし、機会があったら声をかけてみよう>と、思う人が居た。
樋口了一さんだ。
でも、チャンスがなかったらやめておこう。
もう10年以上前にFM京都で数回ゲストに遊びに来てもらったりしたことがあったが、覚えてはもらっていないんじゃないかという気持ちの方が強い。私は大学4年間でゼミの先生に、最後まで「吉田さん」と呼ばれていたのだ。音楽の仕事に就いてからも「印象が薄い」と言われたことは何度かあるので、「お久しぶりです!」と声をかけるのはとても勇気が要る。
だが大人数が振り分けられた楽屋が偶然一緒になり、今日はその機会があった。一緒に生演奏をしたことは、私の方が思い出せず、「中野に住んでませんでした?」「練馬じゃなかったです?」と、話していくうちに思い出すことがポロポロと出て来た。当時の話を出来る人が今も居るって嬉しいことだなと思った。
リハが終われば、トップバッターは出番がすぐにやって来る。数組が出演する場合は逆リハと言って、出順の反対にリハが進行するので、最後にリハをしてそのまま本番を迎える。
さぁ、行きますよ。
晶くんと演奏をする時は不思議とアガらなくなった。自分のライブの時には、ここでこう心が乱れるというパターンがあったりするのだが、それが不思議とないのだ。迷いが消えてスっと音楽の中に入って行ける。
3曲、のびやかに出来たらいいな。
「詰めたら4曲出来ると思うよー」と、最後のリハで言った時に晶くんが「いえ、今回はこの3曲にします」とキッパリ言っていたことを思い出す。
帰りの車の中で、「今日はコンテストに出た時に友だちになったtajaの奈穂さんと戸田和雅子さんに久々に会えたんですよ〜」と、晶くんは嬉しそうに話していた。
そう、また会えるのは嬉しいね。
樋口さんと出会った頃の私は、ハンドマイクでステージの上を走っていたっけ。
野外ステージは、まだ晶くんと一緒に演ったことがなかった。
いつか野外で演奏してみたいな。
都会のキラキラを背に。
音楽は、音と人でつながっているものなんだなぁ・・・と、追い越して行く景色を眺めながら思ったのだった。